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環境に配慮したサステナブル素材に注目【ニューヨーク発、最新EC事情〜アパレル業界の救世主!Pangaiaの革新的な素材開発〜】

2021年8月に入ってからアメリカでは新型コロナウイルスの感染者が急増しています。夏を満喫したい人々がビーチや屋外で楽しんでいるため、フロリダやコンサバティブな南部を中心に増加が顕著に。ファイザー製のワクチンがFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を受けたこともあり、政府はワクチン未摂取者への摂取を呼びかけるとともに、異変種による感染拡大を食い止めるためにブースターショット(追加摂取)の推奨も聞かれるようになりました。

ニューヨーク市では9月13日より飲食店の店内飲食や娯楽施設内への入場の際に、ワクチン摂取証明を表す“ワクチンパスポート”の提示が義務付けられました。ブライアントパークの屋外イベントなどでも「ワクチン接種者エリア」と「ワクチン未接種エリア」に分けられているほど。こうしてワクチン未接種者の生活範囲が狭められるなどの状況が出てきています。

さて、本記事では環境に配慮した素材開発の現状についてお話します。パンデミックによって人々の環境への意識が高まっていることは今までの記事において既述の通りですが、環境汚染産業第二位と言われるファッション業界も環境に配慮した試みを急ピッチで進めています。

環境保護、動物愛護により、ビーガンレザーがトレンドとして浮上

素材開発において近頃頻繁に見かけるようになったのがビーガンレザーです。環境問題や倫理的な観点から、近年本革を敬遠をする消費者が増加。本革に変わり、未来のレザーとしてビーガンレザー が注目を集めるなど、ムーブメントが起こっています。ビーガンレザー は動物の命を守るだけでなく、食肉を減らすという意識を高めるだけで地球温暖化の原因のひとつである家畜から出るメタンガスを減少させることもできます。加えて、本革はなめしの過程で大量の水や化学薬品を多く使用するなど、環境に対する負荷が大きいことも事実。それに比べ、サボテンは少量の水で十分に成長することや、りんごやぶどうなどから作られるレザーもあり、本革に比べ、環境負荷が少ないと言われています。

また、ベジタブルレザーの他にもきのこ菌を培養させた人工レザーも現れ、大手アパレル企業が次々と同レザーを使用した商品を発売したことで話題になっています。なかでも「エルメス」を筆頭に、「ステラ マッカートニー」などのラグジュアリーブランドや「アディダス」などの大手アパレル企業がアメリカのボルトスレッド社のマッシュルームレザー「マイロ」を取り入れているため、その品質もお墨付きのようです。トレンドとしても注目されていると言っても過言ではありません。また、ラグジュアリー時計の世界でも、ストラップにビーガンレザーを使用するブランドが増えてきているようで、ラグジュアリーというカテゴリーの中でもその存在が認められてきています。

毛皮も同様に、トレンドはリアルファーからエコファーに移行しています。最近では動物虐待への倫理感から動物の羽毛を使用しない、ダウンジャケットの中綿に植物由来の繊維を使用するヴィーガンダウンのブランドも登場。アパレル業界のサステナブル素材開発合戦、サステナブル素材の使用はとどまるところを知りません。

アパレル業界で素材開発が進む理由は?

・近年加速する環境破壊、環境汚染に対し、環境汚染産業の有効な改善方法として挙げられている。環境負荷を減らした素材を使用したアパレル製品を作ることで業界として環境汚染の軽減を目指している

・動物倫理や温室効果ガス削減などから本革やリアルファー、動物の羽毛を使ったダウンジャケットの需要が減少。大手ブランドも賛同し、それに変わる新素材が求められている

・消費者の環境問題への意識が高まったことによって、環境に配慮した商品を望むようになった

・環境に優しい素材を開発することで自社ブランドだけでなく、他のブランドなどへ素材提供をすることでアパレル業界の環境汚染を食い止めるとともに、企業にとっての新たなビジネスチャンスを創出する

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スタイリッシュなサステナブル・アパレルブランドとして認知度をあげているPangaia

革新的!科学者集団「PANGAIA」にインタビュー

こうした状況のなか、ブランドミッションに強力にコミットしている、サステナブル・アパレル・ブランドとして地位を確立しているのが「Pangaia」です。同ブランドはグローバルなD2Cのスタートアップブランドでアメリカでも人気を博しているのですが、その人気の秘密は素材開発への揺るぎない情熱とブランドステートメントとして掲げる責任ある生産背景にあります。自分たちのことを「科学者集団」と呼び、素材開発には10年の月日をかけることもあり、プロジェクトごとに世界中から選抜されたプロでチームを組み、素材開発を行なっています。

2018年のブランド設立からバイオベースや再生ペットボトルを使用した素材、海藻成分を含んだ素材などからスタート。桜で染色したリサイクルコットンTシャツなど、販売される商品はエシカルに徹底した素材から作られています。最近では「Pangaia」が特許を取得している素材で、野生の草花が持つ微細構造を生体高分子と組み合わせ、熱を作りだすフラワーダウン「FLWRDWN™」を販売しました。この素材にかけた研究期間はなんと10年。さらにはぶどうから作られたレザーのスニーカーや、8月には「Zero Cotton」、コットンを一切使用しない「PLNT FIBERTM」と「FRUT FIBERTM 」の素材を使った新コレクションが発表されています。

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「PLNT FIBERTM」「FRUT FIBERTM 」のイメージビジュアル


「PLNT FIBERTM」は竹やイラクサ、ユーカリ、海藻など、再生可能で成長の早い植物から作られています。これらの植物は成長過程で肥料や灌漑の必要がなく、定期的に伐採することで成長が早くなるのが特徴のため、効率的な生産が可能です。また、「FRUT FIBERTM 」は竹リヨセルと果物の繊維をブレンドした新しい素材。この素材は通常埋め立てられるか焼却され、ブラックカーボンを排出するパイナップルの葉やバナナの葉などを使用したもので、廃棄物を埋立地に送ることなく、繊維に変換したものです。これらの素材はアパレル業界のコットンや化学繊維依存を軽減することを目的にしています。世界トップの科学者集団が今まで開発されていない素材や繊維を掛け合わせ、最新の技術を駆使して生まれた素材を使用しています。

pangaia「PLNT FIBERTM」の商品ラインアップ


PangaiaPLNT FIBERTM」の商品には何から作られた商品なのかというプリントが施されています

PangaiaFRUT FIBERTMの商品ラインアップ

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FRUT FIBERTM 」の生地。コットンに代わる新たな素材となるのか?

もちろん、ウェブサイトで各商品をチェックした際に「この商品を選ぶと、どれだけ環境に優しいのか」ということが数値も出てくるため、こうしたコミュニケーションは消費者としても透明性が感じられ、環境保護に一役買っているという気になります。

また、同社は開発した素材をオープン化する意向を示しているため、他のアパレル企業にB to Bという形で技術提供や素材提供をしていくなど、幅広いビジネス展開を見せています。

1. 持続可能なアパレルブランドの中で圧倒的な存在感を示していますが、「Pangaia」を始めようと思ったきっかけは何ですか?

私たちは、世界をリードする研究機関、研究所、科学者と提携して、マテリアルサイエンスにおける最新の問題解決に革新をもたらしました。「Pangaia」では、科学をわかりやすく説明し、私たちにとって必要不可欠な衣類から始まる日常の製品を通じて、可能な限りアクセスしやすい方法で科学を業界と消費者に提供する方法を見つけたいと考えていました。現在ではFLWRDWN™」のような独自の素材で特許を取り、バイオベースの繊維や、リサイクルされた衣類の廃棄物などから作られたマテリアルを使用しています。

2. 「Pangaia」は「Collective(集合体)」としてチームを作っているようですが、素材開発などのプロジェクトごとに作成されたチームを意味しているのですか?

あらゆるバックグラウンドと経験から、科学者、デザイナー、思想家、そしてクリエーターのグローバルな集合体として機能しています。私たちは、目的に基づいて科学に支えられた会社を作りたかったので、このブランドをスタートしました。「Pangaia」ではマサチューセッツ工科大学、ハーバード大学、スタンフォード大学の卒業生と世界中の主要なデザインスクールのデザイナーを結び付け、最先端の科学と時代を超えた美しいデザインを融合させた製品を生み出しています。同様に、カスタマーサービスエージェントからロジスティクスの運用に至るまで、ビジネス全体で若い世代に刺激的な機会を提供し、包括的な企業を構築しています。私たちは、個人ではなくチームを擁護する新しいリーダーシップモデルの会社です "Collective”の力は、変化を起こすために一人で働く個人よりも、集合体として働くことが効果的であると信じています。 

3. 他のブランドにない強みはなんですか?

プロジェクトを通して毎日新しいことや重要な教訓を学んでいます。常に改善に取り組み、常に新しい目標を設定しています。これは、イノベーティブな素材、循環資源、海洋にとって健康的な状況、人間の可能性の向上などにフォーカスし、サステナビリティと慈善活動を行なっています。

4. 素材や製品を開発する際の使命を教えてください。

私たちの使命は、より良い未来をデザインし、日常から使う製品を通じて画期的なテキスタイルのイノベーションと特許素材を世界にもたらすことです。当初から、今までにない問題解決技術を生み出し、世界規模でそれを取り入れ、推進することを目的に、新しいビジネスモデルを構築してきました。「Pangaia」の未来へのビジョンは再生的であり、私たちが作成するすべての製品は、製品を作るために必要なリソース以上のものを返すことができます。

5. いつもユニークなものから素材開発が行われていますが、どこからアイディアが浮かんでくるのですか?

Pangaia」の全体的な素材哲学は“ハイテク自然主義”であり、テクノロジーとサステナブルなケミストリーによって作りあげられた豊富な自然を利用して、テキスタイルの可能性を広げていきます。

6. 現在行なっている社会貢献を教えてください。

慈善活動のアプローチは、地球と人という2つの柱に基づいて構築されています。生物の多様性、気候の公平性、環境保護に焦点を当てるという基本的な指針があります。私たちは独自の2つのファンドを作成し、インパクトプラットフォーム「Milkywire」と提携してファンドを立ち上げました。また、グローバルな緊急事態に対応するために機敏性を有しています。昨年、「Tomorrow Tree Fund」を設立しました。この基金の目的は、100万本の木を植え、保護し、復元することを目標に植樹と保全に取り組んでいます。世界中の草の根NGOを支援することでもあります。

7. 今後、環境意識を持ってアパレル業界はどのように変化していくと思いますか?

私たちの目標は、研究、イノベーションを商業化するためのオープンソースを他の企業に提供することです。他企業と一緒になってより大きなインパクトを与えることができるという信念を持っています。

8. なぜShopifyプラットフォームを選びましたか?

Shopify Plusは唯一の選択肢でした。Shopify App Storeは、とても経済的で無駄を出せないスタートアップにとって非常に助かります。開発作業にお金をかけたり、ベンダーの選択プロセスを経たりすることなく、パーソナライズ、ローカリゼーション、コンテンツテンプレートの操作などを取り入れることができます。

9. ブランドのゴールを教えてください

短期的な目標としては、2023年までに地球をポジティブ(カーボンネガティブ)にすることです。

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