ネットショップの集客力を上げる方法はいくつかありますが、その内の一つがSEO対策を行うことです。しかし、ECサイトのSEOに関する情報やツールはたくさんあるため、何をすれば良いのか、どれを選べば良いのか分からない人も多いでしょう。
そこでこの記事では、ECサイトプラットフォームのShopify(ショッピファイ)でできる基本的なSEO対策と、SEO対策におすすめのShopifyアプリをまとめました。
SEOとは

SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、検索エンジンでウェブサイトを上位表示させるための取り組みを指します。
GoogleやYahoo!JAPAN(ヤフージャパン)などで検索したとき、ほとんどの人は検索結果の上位に出てくるサイトからクリックしていきます。そのため、ホームページやネットショップを開設・運営して顧客を獲得するうえでSEO対策は欠かせません。また、SEOは広告宣伝費なども不要なため、顧客獲得コスト(CAC)削減にもつながります。
ShopifyストアのSEO対策15選

1. 独自ドメインを購入する
サイトのURLには、独自ドメインが使われている方がユーザーからの信頼を得やすく、検索エンジンからの評価も高くなるため、SEOに適したドメインへの切り替えを行いましょう。
Shopifyでは「myshopify.com」という無料ドメインでストアを開設できますが、独自ドメインを購入することもできます。
通常、独自ドメインを取得する場合は、別途ドメイン取得サービスと契約する必要がありますが、ShopifyはShopifyアカウントがあればドメインを購入でき、他サービスとの契約は不要です。また、すでにある外部ドメインを接続することもできます。
独自ドメインは、管理画面の設定アイコン>「ドメイン」>「新しいドメインを購入する」と進み、購入したいドメイン名で利用できるドメイン拡張子と価格を確認して購入できます。購入後は、Shopifyのストア管理画面で管理できます。
2. 適切なキーワードを特定する
検索エンジンから評価されるには、潜在顧客が使いそうなキーワードを見つけるのも大切です。以下のような方法で見つけましょう。
- 同業他社サイトの流入キーワード調査:ラッコキーワードのようなキーワード分析ツールで、競合サイトの流入キーワードと、キーワードごとの推定流入数を確認し、キーワード選定の参考にします。
- Googleトレンドの活用:現在の急上昇ワードや指定した期間に人気だったキーワードを抽出します。
- 「他の人はこちらも検索」の閲覧:Googleで検索した際、検索結果ページの下部に表示される関連ワードから、需要のあるキーワードを見つける手掛かりを得ます。
- 「関連する質問」の確認:Googleで検索した際、検索キーワードに関連して他のユーザーが検索した内容と回答が表示されるため、そこからユーザーがどのようなことに関心があるかを調べ、キーワード選定の参考にします。
キーワードをいくつか特定できたら、需要があるか見極めるために以下のツールを用いて検索ボリュームを確認しましょう。
- Keyword Tool(キーワードツール)
- ラッコキーワード
- Googleキーワードプランナー
3. URLやスラッグにキーワードを組み込む
スラッグとは、URL最後の「/」に続く末尾の文字列のことです。ここにキーワードを入れることで、検索エンジンに対してページの内容を明確に伝えることができ、SEO評価が向上します。
ターゲットが理解できる単語の場合は英語でキーワードを入れるのが好ましいですが、英訳したキーワードが分かりにくい、ターゲットが日本に限定されているなどの場合は、日本語キーワードをローマ字表記したものをスラッグにするのもおすすめです。このとき、キーワードを詰め込みすぎてスラッグが長くなりすぎないよう注意しましょう。
例えば、ハラペーニョソースを販売しており「ハバネロ」「激辛」などのキーワードが予測される場合、下記のようにまとめると良いでしょう。
https://kindahotsauce.shop/products/gekikara-habanero
4. タイトルタグを設定する
タイトルタグとは、検索結果やブラウザのタブにページタイトルとして表示される文字列のことです。こちらもSEOの対象になり、自分でカスタマイズすることが可能です。
Shopifyストアのタイトルタグは、管理画面左のタブの「オンラインストア」>「各種設定」>「ソーシャルメディアで共有する画像とSEO」セクションの「ホームページタイトル」内に入力することで編集できます。
タイトルタグを作成する際は、先ほど特定したキーワードを含めたうえで、簡潔にまとめましょう。モバイル端末でも全文表示させるためには、30~35文字程度に収める必要があります。内容と関係のないタイトルをつけると、逆効果になる可能性があるので注意してください。
5. メタディスクリプションを設定する
メタディスクリプションとは、ページの内容を簡潔に説明した文章で、検索結果画面で紹介文として使用されます。分かりやすいメタディスクリプションが記載されていれば、その分ページをクリックしてもらえる可能性が高まります。クリック率が高まればサイトの評価も高まり、さらなる検索順位の向上のための良い循環が生まれるため、SEO対策のうえで重要な役割を担います。
文字数が多すぎると省略されて「…」で表示されるため、前半に重要な情報を載せ、要点を簡潔にまとめることが重要です。
Shopifyでは、管理画面左のタブの「オンラインストア」>「各種設定」>「ソーシャルメディアで共有する画像とSEO」セクションに移動した後、「メタディスクリプション」内に入力することで編集できます。
6. ヘッダー(h1)に重要なキーワードを含める
h1タグはページ最上位の見出しで、検索エンジンがページの内容を把握しユーザーの検索意図と一致しているかを判断できるようにするという重要な役割があります。また、h1タグにユーザーが求める情報を含めれば、訪問者の利便性が高まり、滞在時間の増加や最初のページだけを見て離脱する割合(直帰率)の低下につなげられるでしょう。
例えば、白Tシャツを専門に扱うアパレルショップのCovは、商品ページのヘッダータグに「白Tシャツ専門店ブランド Cov」というワードを加え、顧客が検索エンジンで「白Tシャツ」などのキーワードを入力したときに、検索結果の上位に表示されるよう工夫しています。

7. 内部リンクを整える
サイト内に内部リンクを設置しましょう。内部リンクを整えることで、検索エンジンのクローラーがサイト内を効率的に巡回できるようになり、ページが検索結果に表示されやすくなります。また、顧客体験を左右するUXデザインが改善され、知りたい情報に効率的にアクセスできるようになることで、訪問者の滞在時間増加にもつながります。
特に、主要ページに内部リンクを集めるのが効果的です。この際、リンク設置を意識するあまり、関連性の低いページへのリンクを無理やり入れたり、「こちら」「詳細」など遷移先の内容が分からないアンカーテキストを多用したりすると、サイト評価が下がる可能性もあるため注意しましょう。
8. すべての画像にAltタグをつける
Altタグ(代替テキスト)は、サイトに掲載された画像の内容を記述するためのテキストです。画像に説明文を追加することで、検索エンジンが画像の内容を正しく認識しやすくなるため、上位表示や画像検索からの流入につながります。
ユーザビリティの向上においても、Altタグには重要な役割があります。視覚障害のあるユーザーが読み上げアプリを使用した際に、画像のAltタグが読み上げられることで、ユーザーは画像の内容も踏まえてサイトを理解できます。
例えば、以下の画像にAltタグをつける場合、「ソファーの上で寝る茶色の猫」と画像の情報を具体的に載せることが大切です。

Shopifyでは、最大512文字の代替テキストを入力できますが、125文字以下で簡潔にまとめることが推奨されています。
商品管理画面で商品名をクリックして詳細ページへ進み、「商品メディアアイテム」>メディアプレビューページ>「代替テキストを追加する」をクリックして代替テキストを入力できます。
テーマ画像の場合は、「オンラインストア」>「テーマ」>「カスタマイズ」で編集したい画像を選び、テキストを追加できます。
9. レスポンシブデザインのテーマを使用する
レスポンシブデザインとは、端末の画面サイズに合わせてサイトの表示を自動調整してくれる仕組みのことです。Googleはウェブサイトをモバイル表示にも対応させることを推奨しています。
Shopify公式のテーマは基本的にレスポンシブデザインになっており、SEO対策として新たにデザインを変更する必要はありません。しかし、モバイルデバイスを使うユーザーにとってより使いやすいサイトにするために、Googleが提供しているサイト分析ツール「Lighthouse(ライトハウス)」を使用して検証するようにしましょう。
検証するには、Google Chromeで対象となるページを開き、右クリックして「検証」を選択します。ツール画面が開いたらLighthouseタブをクリックし、「モバイル」と「SEO」にチェックを入れて「ページ読み込みを分析」をクリックすると、ページに関するレポートが点数などとともに生成されます。

10. コンテンツを増やす
ユーザーの検索ニーズを満たす商品説明文やブログ記事などのコンテンツを増やすこともSEO対策の一つです。ユーザーに有益な良質なコンテンツを作成することで、サイト訪問者が増え、信頼性も高まります。また、記事が増えれば内部リンクを設置できる場所も増え、UXデザインの改善にもつながるでしょう。
コンテンツを作成する際はキーワードやh1見出しなども戦略的に設定するようにしましょう。
11. 画像の表示速度を最適化する
Googleはページの読み込み速度をSEOの評価基準としているため、画像が重いとページ全体の表示速度が落ち、検索順位が下がる要因になります。表示速度を向上させるには、画像サイズを圧縮するか、JPEGやPNGよりも軽いWebPなどの拡張子を使用しましょう。
また、必要になってから画像を読み込むレイジーロード(遅延読み込み)機能を使うのも有効です。ページの読み込み速度が向上すれば、検索エンジンからの評価が上がるだけでなく、訪問者の離脱を防げます。
Shopifyにはレイジーロードを可能にするSEO対策アプリもあるため、手軽に表示速度最適化が行えます。
12. Googleアナリティクスの設定をする
Googleアナリティクスとは、ユーザーがサイト内でどんな行動をしたかを分析するツールです。Shopifyのストア分析でもデータを取得できますが、ShopifyとGoogleアナリティクスを連携させるとより詳細なデータが得られます。
例えば、Shopifyストアを訪れたユーザーがどのキーワードやページに引きつけられているかを確認してSEO対策の効果を測定できるほか、コンバージョン率や直帰率、ページ滞在時間などの指標から、サイトの改善点を見つけてSEOに反映できます。
13. Google Search Consoleの設定をする
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)は、ユーザーがGoogle検索でキーワードを入力し、サイトに訪問するまでのデータを分析するツールです。どの検索キーワードがユーザーを呼びこんでいるのか確認できるため、キーワードの効果測定や改善に役立てられます。また、どのページが検索結果で上位に表示されているか分かれば、それを参考にページデザインを調整することもできます。
14. Google Search Consoleにサイトマップを送信する
Google Search Consoleにサイトマップを送信しましょう。サイトマップとは、ウェブサイトの構造を一覧で記述しているものを指します。サイトマップを送信することで、そのサイトにあるすべてのURLを検索エンジンが発見できるため、ページ内容が変更された時にすばやく反映されます。
Google Search Consoleにサイトマップを送信する方法は次の通りです。
- Google Search Consoleのメニューで「サイトマップ」を選ぶ
- 「新しいサイトマップの追加」セクションでサイトマップのURLを入力し、「送信」ボタンをクリックする
Shopifyでは、ストアのサイトマップである「sitemap.xml」ファイルを自動で生成できます。「https://”自分のドメイン”/sitemap.xml」がサイトマップのURLです。
15. 被リンクを獲得する
被リンクとは、他のサイトから自身のサイトに向けて設置されたリンクのことです。特に権威性のあるサイトから被リンクを獲得できれば、検索エンジンからの評価がより高まります。質の高いコンテンツ作成に力を入れつつ、SNS発信や業界関係者とのネットワーク構築、プレスリリースの活用などを通して、被リンクの獲得を目指しましょう。
おすすめのShopifyのSEOアプリ

Shopifyアプリストアから、SEO対策に役立つアプリをダウンロードして使用しましょう。日本語対応しているアプリには次のようなものがあります。
小型SEOスピード画像オプティマイザー

料金:無料プランあり。有料プランは、月額14ドル〜
小型SEOスピード画像オプティマイザーは、画像圧縮とストアページ表示速度の高速化、Altタグの最適化などを通じてSEOを改善できるアプリです。また、壊れたリンクを修正する機能もあります。
SearchPie

料金:無料プランあり。有料プランは、月額19ドル〜
SearchPie(サーチパイ)は、レポートを通したSEO問題の把握や、Altタグ、メタディスクリプション一括更新などの機能を備えたアプリです。画像の圧縮やページ読み込みの高速化、Altタグの自動更新などを通じて、サイトの信頼性を向上させられます。24時間の無料チャットサポートつきです。
Smart SEO

料金:無料プランあり。有料プランは、月額9.99ドル〜
Smart SEO(スマートエスイーオー)では、画像の最適化やページ速度の改善など、重要なSEOタスクを自動化して管理できます。さらに、壊れたリンクの自動修正などの機能も備えています。
まとめ
新規顧客の獲得や売り上げ向上を目指すうえで、サイト訪問者を増やすことにつながるSEO対策は欠かせないものです。
Shopifyには独自ドメインの取得、Googleアナリティクスとの連携、レスポンシブデザイン対応、タイトルタグの設定など、SEOに役立つさまざまな機能が備わっています。Shopifyアプリを使ってSEO対策を強化することもできるため、それらも上手く使いながら検索エンジンでの表示順位を上げましょう。
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よくある質問
ShopifyでできるSEO設定は?
- ページタイトルの設定
- メタディスクリプションの設定
- Googleアナリティクスとの連携
- ページ読み込み速度の向上 など
SEO対策に役立つShopifyアプリは?
- 小型SEOスピード画像オプティマイザー
- SearchPie
- Smart SEO
ShopifyでSEO対策するメリットは?
- 広告宣伝費がかからないため顧客獲得コスト(CAC)を削減できる
- オーガニックトラフィックを増やし、新規顧客を獲得できる
- ユーザーの行動を把握でき、ストアの改善につなげられる
文:Ryutaro Yamauchi