ネットショップ開設にチャレンジしてみませんか?

化粧品販売:D2Cスキンケアブランドの始め方

ある朝、目が覚めて、一晩で10,000ドル(約114万円)を売り上げたていたことを知ったメーガン・コックス氏。当時マサチューセッツ工科大学(MITの学生だった彼女は、自身のスキンケアブランドであるAmalie Beauty(英語)を新しく立ち上げ、起業家への道を歩み始めたばかりでした。

その後数年かけて、メーガンはメディアの力を利用しながら、Amalieを数十万ドル(数千万円)規模の企業へと成長させました。ウェブサイトに商品が掲載されると、瞬く間にAmalieのまつげ用美容液やフェイスオイルは完売したと言います。しかし、そのようにブランドが成功の一途を辿っている間も、いつも何かが違うと感じていたメーガン。「美容ブランド運営に必要な、消費者向けマーケティングにやりがいを感じていなかったのです」と言う彼女は、2018年にAmalieを拡大するか売却するかという岐路に立たされました。

メーガンはメディアの力を利用しながら、Amalieを数十万ドル(数千万円)規模の企業へと成長させました。ウェブサイトに商品が掲載されると、瞬く間にAmalieのまつげ用美容液やフェイスオイルは完売したと言います

メーガンはついにAmalieを売却することを決心し、自分の関心のすべてを、夫と共に構想してきた別のスキンケア事業に捧げることに方向を転換します。そうして立ち上げられたのが、メーガンのような熱意あるスキンケアブランド創設者たちに商品を製造する、Genie Supply(英語)という名のクリーンビューティーラボでした。

このように消費者直接販売とスキンケア製造の両方の経験を積んできたメーガン。彼女の多方面にわたるアドバイスは、新しくスキンケアブランドを立ち上げようとしている皆さんに必ず役に立つでしょう。ここでは、彼女が今までに苦労して学んできた、ラベル付けからマーケティング、そして製造業者の発掘に至るまでの教訓やヒントを紹介していきます。

(日本では薬機法に基づく
化粧品製造販売業許可・化粧品製造業許可の届出や広告規制に準拠する必要がありますのでご注意下さい)

スキンケアのプロをご紹介

画像出典:Genie Supply / メーガン・コックス

メーガンがそもそもスキンケア事業を始めた理由は、個人的な悩みを解決するためでした。以前エクステを使っていたことがあり、まつげがボロボロになってしまったと言う彼女。まつげを元どおりにするための商品を探したものの、どうしても見つけることができなかったと言います。理系から経営学専攻の学生となった彼女は、夢中になって調査を進め、その結果として市場にギャップがあったことに気が付きました。

調査の中では、メーガンのようなよくある悩みを解決してくれる、天然由来のシンプルな商品を探している未開拓オーディエンスがたくさんいることも明らかになりました。そうしてメーガンはついに自分の大学寮の一室から、貯金1,800ドル(約20万円)をはたいてAmalieを立ち上げ、主力商品であるまつげとまゆげの再生を促すオイル「Wink」を発表したのです。

Amalieの成功は、メーガンならではの個性が光るブランドと、透明性のあるコンテンツを提供することを通して、オーディエンスの信頼を築いていった彼女の天性によるものでした

やがてメーガンは中国で商品を製造する方向へと事業を拡大。製造ラインのすぐ近くにいれるように、年の半分は中国で過ごしていたと言います。その後数年にわたって、インディアナ州の実家と中国深セン市の小さなマンションを何度も往復して、事業のさらなる拡大に努めました。

Amalieの成功は、メーガンならではの個性が光るブランドと、透明性のあるコンテンツを提供することを通して、オーディエンスの信頼を築いていった彼女の天性によるものでした。しかし自ら内向的であると認める彼女にとっては、このようなスキンケア事業の一面が限界に感じてしまったそうです。問題解決や科学の世界により心惹かれるメーガンにとって、Genie Supplyへの移行は必然的なものでした。

こうしてフルタイムでGenieSupplyを始めたメーガンは、夫の協力と共に、2018年に会社を中国のコンサルティング代理店から米国の研究所へと移行することに決めました。2020年に急成長したインディーズ系の美容市場の効果もあり、彼らの事業は飛躍的な伸びを記録。今となっては、GenieSupplyは200ブランド以上に商品を製造する企業にまで成長しました。

「顧客からのオーダー数は日に日に増えています」と言うメーガン。「私たちは、ここアメリカにインディーズ系美容商品の製造ニーズがあることを証明することができました」

スキンケアブランドの始め方:美容業界のプロが伝授するスタートアップに欠かせない7つのレッスン

画像出典:Burst  

 

スキンケアブランドの立ち上げは、オンデマンドプリントのTシャツ事業などを始めるよりも手間がかかります。化学の基本やラベル表示法を把握するために、研究や調査に時間を費やさねばならず、製造業者とやり取りをする必要もあります。また大きな初期投資が必要な場合もあるでしょう。

とは言え、メーガン曰く、情熱とリソースさえあれば、わずかな予算でもスキンケア事業を始めることは可能だと言います。ここからは、メーガンが美容業界での素晴らしいキャリアを築く過程で学んできた7つのレッスンと、スキンケアブランドをゼロから始める方法を紹介していきます。

1. 混み合ったスキンケア業界でも参入の余地はあり(なのでとにかくスタートしてみる)

    2025年までに、グローバルスキンケア業界は1,830億ドル(約20兆円)にまで成長すると予測されて(英語)います。その中でも過去数年間の成長のほとんどは、独立系のインディーズブランドによるもの。「エスティーローダーやロレアルなどの従来の大手ブランドには、もう成長の兆しはありません。今ではインディーズの美容ブランドやクリーンビューティーブランドが、業界の成長を支えています」とメーガンは話します。そしてそのような風潮に応えるべく、大手のブランドは小さなブランドを買収(英語)することによって市場でのポジションを維持しています。

    1999年にモリーン・ケリー氏のアパートの一室からスタートした、天然由来成分を使った美容商品ブランドのTarte(英語)は、2003年に大手化粧品専門店のセフォラのラインナップに加わり、2008年には1,200万ドル(約14億円)の収益を記録するブランドへと成長しました。その後2014年、Tarteはその株式の大部分を巨大グローバル美容企業のコーセーに売却。モリーンが初期投資に使った費用は、わずか18,000ドル(約200万円)ほどでした。

    Z世代が成人するに連れて、人々のお金の使い方には大きな変化が生じています。現在の美容市場は非常に混み合っていますが、革新の余地はまだ十分にあります

    メーガン・コックス

    現在では化粧品とスキンケアを組み合わせた「ハイブリッドビューティー」商品などが流行っているように、スキンケア業界の環境は常に進化しています。そしてクリーンビューティーに関しては、新規ブランドが参入する余地がまだあると言えるでしょう。「Z世代が成人するに連れて、人々のお金の使い方には大きな変化が生じています。現在の美容市場は非常に混み合っていますが、革新の余地はまだ十分にあります」とメーガンは言います。

    2. スキンケアのプロでないならプロになろう

      画像出典:Burst

      ブランドを立ち上げる中で、メーガンはアマゾンで上位にランクしていたありとあらゆるまつげ美容液を購入したと言います。さらにMITの研究論文データベースを片っ端から調べ上げ、「必須脂肪酸」がまつげの再生に有効であること、そして当時その成分をまつげ用商品に使用する企業が他にはいないことを発見しました。

      メーガンによると、大学で理系を専攻したことは製品の処方に役立ったものの、最も有益な情報を見つけたのはウェブだったと言います。「化学のバックグラウンドはありましたが、優れた研究結果はウェブ上で見つけることができます。素晴らしい情報を無料でシェアしている賢い人たちが、インターネット上にはたくさんいます」

      最終的には経営学専攻へと進路を変えたメーガンですが、大学で学んだことは実際のブランド立ち上げにはあまり役に立たなかったと言います。「MITは限界を押し広げること、そして常に謙虚でいることを教えてくれました。またある意味ではハングリー精神を養ってくれたと感じています。起業するにあたって、それはとても大切なことでした」

      📖 こちらもご覧ください:

      3. スキンケアのニッチ市場に焦点を当てる


        画像出典:Burst

        新たなスキンケアブランドがポジショニングを勝ち得るには、既存ブランドがまだ手を付けていない(英語)オーディエンスを特定することが重要です。広範囲な肌のトーンなど、包容性のある商品を提供するインディーズブランドが台頭する美容業界ほどに、その事実を明確に示せる業界は他にはないでしょう。

        従来のブランドが広範囲に手を広げる一方で、独立系のブランドはニッチなオーディエンスに寄り添い、特定の問題に取り組むことに努めています

        美容関連の記事やインフルエンサーをフォローすることは新たなトレンドの発見に役立ちます。しかしほんの一瞬しか続かないようなトレンドには十分に注意し、持続可能な計画をしっかりと確立しましょう。「最近、その時々で流行りの原料にハマる人をよく見かけます」と言うメーガン。近年では商品開発のサイクルが加速していますが、一時的なトレンドにいつも追いつくことはできないと言います。「耳にした時にはすでに数ヶ月遅い、と顧客に伝えねばならないこともあります。市場に商品が出せるようになるまでには、そのトレンドが終わっている可能性もありますから」とメーガンは話します。

        流行りのアプローチとは対照的に、インディーズブランドは革新的な商品を提供することによってそのような落とし穴を回避しています。従来のブランドが広範囲な商品に手を広げる一方で、独立系のブランドはニッチなオーディエンスに寄り添い、特定の問題に取り組むことに努めています。そしてそのような問題は、一時的なトレンドよりも、起こる頻度が低いことも関係しています。

        よりベーシックな成分や商品を取り扱う場合には、強固なブランド哲学やブランドストーリーを掲げて、オーディエンスとつながることに努めるようにしましょう。それとは逆に、「特別な処方をしたり、特定の成分を除外または含有したりする場合には、慎重に検討を重ねていく必要があります」とメーガンは言います。

        📖 こちらもご覧ください:

        4. 予想外のものを受け入れる

          販売する商品を検討し始める前に大切なのが、ブランドで何を体現したいかを決めることです。商品を製造したりネットショップを立ち上げたり(英語)する前から、ブランドを構築してオーディエンスを拡大することは可能です。この期間にオーディエンスのことを知り、フィードバックを集め、信頼性を築いてみてください。さらにこの時間を使って、ブランドストーリーに磨きをかけ、これからの立ち上げに向かっての期待感を高めてもいいでしょう。

          市場を知ることに時間を費やすと、考えてもいなかったニッチの発見につながることがあります。元々「Wink」を自分のために開発したメーガンは、顧客もまた、彼女と同じようなエクステや抜毛症(自分の毛を抜いてしまう精神障害)でまつげを傷めてしまった若者たちだろうと思っていたそうです。

          調査を進めるにつれて、より年齢層の高い女性や、ガンの治療を経験した人たちから反響があることがわかりました。それはまったく予測していなかったことです」と言うメーガン。Amalieはその予想外の市場を巧みに取り込み、#PinkWINKというキャンペーンを実施。キャンペーン期間中に売り上げた商品一点ごとにもう一点を、ガンを克服した人たちに寄付することで彼らのことを積極的に支援しました。

          📖 こちらもご覧ください:

          5. 手元にあるリソースを使う

            「私にたくさんの資金や経験はありませんでした」と、メーガンは起業を決心した時のことを話します。彼女の初期投資額は、当時の全財産であった1,812ドル(約20万円)。それはTarteの立ち上げ費用と比べると10分の一の額でした。

            投資額が少ないからと言って、起業を諦める選択肢はなかったと言うメーガン。事業の法人化に700ドル(約8万円)を費やし、残りはボトル500本と数千個の箱の購入と、Shopifyの初回月サブスクリプション料の支払いに使いました。その後、手元に残ったお金はたったの6ドル(約700円)だったそうです。

            マーケティングに費やす資金は残っていなかったため、メーガンはクリエイティブな方法を模索しました。まずRedditにアクセスしていくつかの商品を売り上げましたが、大ブレークしたきっかけは地元の新聞社にかけた一本の電話だったと言います。新聞社とインタビューをしたおかげで少しの売上につながりましたが、転機が訪れたのはそのインタビューが州の新聞社とAP通信に取り上げられた時でした。「寝て起きたら一晩で10,000ドル(約114万円)を売り上げていたのです。商品はすべて売り切れでした」とメーガンは話します。

            📖 こちらもご覧ください:低予算ではじめられる起業アイデア10選をご紹介!

            6. 実践しよう:スキンケア商品の処方と製造


              画像出典:Burst

              スキンケア商品の処方開発には、次のような方法があります:

              • 専用の製造スペースを賃貸
              • ラボと協力してカスタマイズ商品を製造
              • スキンケア製造業者と協力してプライベートラベル商品を企画

              アメリカで化粧品を製造する際には、換気、空気制御、表面の状態などに関するFDA(アメリカ食品医薬品局)ガイドラインに従う必要があります。製造プロセスはFDA基準に準拠しなければなりませんが、柔軟性があるのも事実です。例えば、集中的に商品を製造したいブランドは、移動式のクリーンルーム(実質的にはポップアップのテント)を使うことができます。小規模ブランドにとって、これは理想的でしょう。

              日本でも、
              化粧品の製造所は「薬局等構造設備規則」という省令に適合した製造所である必要があり、換気や適度な広さ、清潔さなどの条件に準拠する必要があります。

              自ら処方を試すことは、自分が求めている商品の特性(濃度、見た目、香り)を理解するのに役立つと同時に、製造業者と情報に基づいたやり取りを可能にしてくれます

              「事業を小さく始めることの利点は、実際に原料を手にして商品を試せるところです。でもある時点になると、製造業者と協力する必要性が生じてきます」と言うメーガン。リップスティックブランドのThe LipBarの創設者メリッサ・バトラー氏のように、「自宅のキッチンから(英語)から事業を始めた」という人は、成功を収めている美容ブランドには数多くいます。そして事業規模が拡大するに連れて、彼らは製造施設へと移行していきます。

              自ら処方を試すことは、自分が求めている商品の特性(濃度、見た目、香り)を理解するのに役立つと同時に、製造業者と情報に基づいたやり取りを可能にしてくれます。

              📖 こちらもご覧ください:プライベートラベル商品の見つけ方と販売方法(英語)

              7. スキンケア製造業者との関係性を構築する

                Amalieを所有している間、アメリカと中国にある製造業者と提携していたメーガン。製造頻度や製造プロセスとの距離感によって、両者には長所と短所があったと言います。一年の大半を中国で過ごして製造を監視していた彼女は、「原料の出所を把握し、すべてを書類化したかったので、現地にいることを選びました」と話します。

                そして現在、製造業者としての道を歩み始めたメーガンは、そのようなスタンスを緩和したと言います。「品質管理の要点を交渉して、製造業者に求めることを率直に伝えるのは重要です。でも細かい点をすべて指摘してしまうと、些細なことで相手を悩ましてしまいます」というメーガン。ある時点からは、製造業者を信頼するのが大切だということを覚えておきましょう。

                美容商品の製造は概して複雑で理解しにくいもの

                メーガン・コックス

                中国の製造業者との提携関係には、価格面や利用可能な選択肢などの利点があったものの、メーガンはGenie Supplyの製造拠点をアメリカに移すことにしました。顧客により近い場所で商品を製造することを通して、全体的なブランド体験を改善する方法を選んだのです。

                「美容商品の製造は概して複雑で理解しにくいもの」と、自らの経験から話すメーガン。だからこそ新事業のGenie Supplyでは、顧客を教育し、透明性のある情報をウェブサイトで提供することに努めています。スキンケア業界での日が浅いようであれば、製造プロセスを丁寧に手ほどきしてくれる、Genie Supplyのような製造業者を見つけることをおすすめします。

                📖 こちらもご覧ください:商品アイデアに応じた製造業者やサプライヤーの見つけ方(英語)

                8. 試験を繰り返し実施する

                  画像出典:Burst

                  メーガンは製造プロセスの全段階における試験がとても重要だということを、自らの苦い経験を通して学びました。「Wink」の処方とパッケージを別々に試してはいましたが、その二つを組み合わせてみると接着剤との相性が悪く、ブラシが取れてしまったそうです。「パッケージには本当に悩まされました。お粗末なパッケージのせいで多くの顧客を失ってしまったのです」

                  経験豊富なラボは、業界初心者にとって優れた資産となります。北米での製造コストはより高額になるかもしれませんが、工場へのアクセスの良さと試験プロセスに関われることは、大きなメリットであると言えるでしょう。

                  📖 こちらもご覧ください:商品開発:市場により早く参入することに役立つ7ステップの枠組みを学ぼう(英語)

                  9. 規則を守る:許可、スキンケアの安全性とラベル表示法

                    飲食事業の立ち上げ(英語)のように、スキンケアブランドを始めることには、「人々に害をおよぼす可能性のある商品を提供する」という観念から、常にリスクが伴います。そのため、保存料や保存期限をはじめ、アレルゲン、適切な保管方法、スキンケア商品の取り扱いなどについてしっかりと学ぶ必要があります。そしてそのような知識を豊富にもつラボと提携できるように、複数のラボを注意深く精査してください。

                    化粧品製造販売業許可・化粧品製造業許可の届出

                    日本国内で化粧品を製造・流通させるためには、化粧品製造販売業許可や化粧品製造業許可を取得する必要があります。製造はしないけれども輸入して販売するのなら、許可が必要です。個人で全てを行うのはハードルが高いため、行政書士などに相談すると良いでしょう。

                    商品保存可能期間

                    顧客は通常、「天然由来」や「オーガニック」と表示された商品には保存料が入っていないことを期待するでしょう。しかし保存料を省くと、商品の安定性に影響をおよぼしてしまう可能性があります。Amalieの立ち上げ当初、商品の保存期限は12ヶ月間だったと言います。

                    販売業者がAmalieの商品を売りさばけなかった時、メーガンは保存期限が過ぎた商品を引き取らなければなりませんでした。ブランドの信頼性に関わってくるため、そうせざるを得なかったのです。「費用的にはかなりの負担となりましたが、自分のブランド名がついた期限切れの商品を、誰かに使わせるわけにはいきませんでした」と彼女は言います。

                    商品のラベル表示法(薬機法

                    スキンケアブランドをゼロから始める人たちにとって、商品ラベル表示の要件は気が遠くなるような内容かもしれません。しかも国や地域によってそれぞれ規則は異なります。これらの法律に自ら対応してきたメーガンは、Genie Supplyのウェブサイトに顧客向けのビジュアルガイドを作成(英語)しました。「5年前にこのようなガイドがあったら喉から手が出るほどに欲しかったと思います。だからこそこのガイドを作りました」とメーガンは言います。

                    評価の高いラボになると、パッケージが基準を満たしているかどうかの確認をしてくれます。ただし最終的な責任はブランド側にあります。「他にチェックしてくれる人は誰もいません。自らデューデリジェンスを行い、FDAのラベル表示法に準拠しているかどうかを確かめる必要があります」とメーガンは言います。もしくは、弁護士に相談することも一つの案です。

                    日本では、
                    薬機法で定められた事項を、原則として化粧品の容器か被包に必ず表示しなければなりません(薬機法第61条、52条参照)。

                    スキンケア商品の安定性と安全性(GVP・GQP)

                    自宅からスキンケア事業を始めることは可能ですが、それには限界があるのも事実です。「商品に水が含まれている場合には、顧客を危険にさらしている可能性があるため、細心の注意を払わねばなりません」と言うメーガン。

                    Genie Supplyをはじめとする評判のいいラボは、原料や処方などに関する厳格な試験を実施しています。そして保存期限内や使用中に、イースト菌、カビ、細菌、真菌などが商品に含まれていないことを確認してくれます。「Genie Supplyでは微生物やウイルスの病原体検査も実施しています。原料に水を使う時にはラボと協力するのが賢明です」とメーガンは言います。

                    日本では、GVP・
                    GQP省令に基づき、市販後安全管理体制を整えたり、「品質管理業務手順書」や記録類を作成する義務がありますので注意が必要です。

                    広告規制

                    マーケティングも薬機法66条や68条で厳しく制限されています。誇大広告が禁止されており、また、化粧品の効能効果の範囲内でなければなりませんし、医薬品や医薬部外品を思わせるような表現をとることはできません。

                    📖 こちらもご覧ください:

                    10. 透明性とコンテンツを通して顧客の信頼性を築く

                      画像出典:Burst

                      スキンケア商品に関する矛盾した情報や、ものすごい数の選択肢に囲まれた顧客は、目が肥えて必然的に疑い深くなります。そのため、オーディエンスの信頼を築くことは、長きにわたる関係性を形づくり、リピートを促す重要なポイントとなります。

                      FDAは公正包装ラベル表示法の下、製造者に商品に含まれるすべての原料の表示を求めています。メーガンによると、実に数多くのスキンケアブランドが、そのようなラベル表示の情報操作を試みていると言います。

                      「効果なんてないのに、なぜ商品の中に蜂蜜や金属や無駄なものを入れるのでしょう?それは意図的に消費者を混乱させようとしているだけです」と言うメーガン。彼女は透明性のある原料表示をすることによって、ブランドの信頼性を築いてきました。Amalieの「About」ページにも、明確にわかりやすい言葉で、成分の科学的な説明や、それがなぜ処方に必要だったかを記しています。

                      商品の選択肢の多さ、聞き慣れない成分名、巧みなマーケティングコピーによって翻弄されるスキンケアの消費者たちは、購入する前にオンラインレビューを参考しています。

                      さらに、メーガンは事業とパーソナルブランド(英語)を成長させるためにコンテンツマーケティングを取り入れ、美容関連のレビューや開封体験を提供してきました。商品の選択肢の多さ、聞き慣れない成分名、巧みなマーケティングコピーによって翻弄されるスキンケアの消費者たちは、購入する前にオンラインレビューを参考しています

                      コンテンツマーケティング戦略によって、メーガンは「信頼のおけるスキンケアのプロ」としての地位を確立しました。そして自身のブログを通して、自社商品以外の商品レビューを研究および実践形式で実施。ブログへのアクセスは急騰し、多い時には週4回投稿をしていたと言います。さらにそれらのコンテンツを掲載してニュースレターを拡大し、The Amalie Brow Bible(Amelieのまゆげバイブル)(英語)などのダウンロード可能なビューティーガイドを提供しました。

                      📖 こちらもご覧ください:

                      11. 私たちは皆人間 — それを利用しよう

                        画像出典:Burst

                        新しくブランドを立ち上げた人たちにとって、最大のチャレンジの一つとなるのがマーケティングです。競争が激しく、常に進化しているスキンケア業界では、このような事業の側面を絶え間なくケアする必要があります。

                        優れた商品を取り扱うだけでは不十分。成功の秘訣は素晴らしいマーケティングを打ち出すこと。そのため、オーディエンスを確立して、彼ら独自のニーズを把握することに重点を置く必要があります

                        「セレブリティをブランドに起用して売上が伸びることを望む」という従来の化粧品販売モデルが衰退するに連れて、現在ではニッチブランドにスポットライトが当たるようになりました。消費者はブランドとつながり、共感することを求めています。優れた商品を取り扱うだけでは不十分。成功の秘訣は素晴らしいマーケティングを打ち出すこと。そのため、オーディエンスを確立して、彼ら独自のニーズを把握することに重点を置く必要があります。

                        パーソナルブランドをビジネスと結びつけるかどうかに関わらず、ニッチで親しみやすい立場を利用して、人間性のあるブランドを構築しましょう。コメントや会話に積極的に参加し、コンテンツには顧客やインフルエンサーなどの実在人物を起用し、フィードバックには耳を傾けるようにしてください。

                        📖 こちらもご覧ください:

                        メーガンのアドバイスは「とにかく始めてみること」。大企業のように経験や予算はないかもしれませんが、彼らが抱えるような大きな負担もありません。的を絞って、大手のブランドからは得ることのできない、新しい解決策を顧客のために見つけましょう。そして顧客に個人的な手助けを提供しながら、彼らと直接つながることに努めてください。

                        最初からすべての人にアピールする必要はありません。そうしないことこそが、スタートアップの魅力なのですから。

                        スキンケアブランドの始め方に関するよくある質問

                        プライベートラベルの化粧品ブランドはどうやって始めればいいの?

                        プライベートラベル(英語)」や「ホワイトラベル」は、スキンケア業界への新規参入者には打ってつけの商法です。「ホワイトラベル」とは、製造業者が同一商品を複数ブランドに提供し、それらのブランドがそれぞれ独自のロゴやブランディングを使って商品を販売することを示します。一方で「プライベートラベル」とは、製造業者と協力して商品をカスタマイズし、ブランド独自の主力商品を生み出すことです。

                        化粧品の製造業者はどこで見つければいいの?

                        問い合わせ可能なスキンケア製造業者の連絡先は、Google検索をするだけでも見つかります。ただし、製造業者は厳しく精査することが重要です。レビューや利用者の声を見つけて、他者から紹介してもらったり、サンプルを求めたりするのを忘れないようにしましょう。

                        化粧品の価格設定はどのようにすればいいの?

                        まずは商品の製造費やその他間接費などの費用をすべて合算し、そこにマージン(利益)を足し合わせます。そして競合他者の価格と比較して、市場において妥当な価格帯の中で商品の価格設定をしているかどうかを確かめましょう。設定した価格を自身のショップで試し、収益性と販売量のバランスが取れる価格の幅を見つけてください。

                        化粧品ブランドを立ち上げるにはどのくらいの期間がかかるの?

                        スキンケア商品の開発には12週間以上の期間がかかります。しかしほとんどの場合、それよりも長期にわたる研究、開発、試験、そして市場開拓が必要となります。スキンケアには包括的な試験が欠かせません。それには時間がかかることを覚えておきましょう。

                        原文:Dayna Winter イラスト:Islenia Mil 翻訳:クリンカース恵子


                        ネットショップを開設しよう!

                        14日間のShopify無料トライアルはこちら

                        トピック: