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クライアントとの関係を円滑にするためのコミュニケーション

テック業界に入る前、Nick Raushenbushはクリエイティブ・エージェンシーGlass & Markerの共同創設者であり、マネージングディレクターを務めていました。

この記事では、エージェンシーのオーナーであるNick Raushenbushよりクライアントから投げかけられたタフな質問への対応方法をご紹介します。

 

クライアントに面と向かいながら厳しい状況に対処するのは、簡単なことではありません。しかしわたしは、明確で直接的なコミュニケーションこそが、適切な期待値の設定と両者共にフェアな満足感を得るための、もっとも効率的なやり方であると気づきました。とはいえ、直接的であるがゆえに、厳しい話題をクライアントと共有するうえでマナーや共感を欠いていいということにはなりません。

他の会社と比べて料金が高いのはどうしてですか?

クライアントはよくRFPや相見積もりによって、複数の会社の料金を比較します。彼らは、プロセスにかけてはあるエージェンシーがほかの会社より優れていることを理解していますが、コストの面で幅広い見積もりを受け取ると、予算に関する疑問が生まれ、一番安いオプションに流れがち。

こういった質問を受け取ったとき、通常わたしは次のように返答していました。

○○

ご連絡ありがとうございます。

オンラインで会社を探すと、びっくりするほどたくさん出てきますよね。一方には個人事業を中心とした外注業者がいて、反対側にはOgilvyのような大手がいます。1,000ドルでプロジェクトを請け負う業者もいるでしょうし、Ogilvyであれば同じプロジェクトに100万ドルの見積もりを出すかもしれません。

では、Ogilvyのプロダクトは実際に1,000倍優れているのでしょうか? おそらくそうではないでしょう。ただ、あなたは1,000ドルで業者に仕事を発注することで、標準以下のプロダクトを受け取るリスクを高めてしまいます。つまり、あなたは自分が支払った分に値するものを受け取ることになるわけです。そしてベストなプライスでベストなプロダクトを得ることに、もっとも時間をかけるでしょう。

世間には優れた業者がたくさんいますが、彼らを発見することは困難だと言わざるを得ません。わたしは自社において、彼らをスタッフとして、また外注として雇ってきた経験があるのでわかります。わたしたちは、ポートフォリオで示しているように高い水準を維持しており、ベストな人材しか雇いません。さらにわたしたちは納品の時期を保証しますが、これは外注業者の場合、よく問題になりやすい点です。

結局のところ、あなたは最初からプロジェクトが正しく進行することを望むはずです。実績のある会社から提示された15,000ドルの見積もりから5,000ドルを節約するために、10,000ドルのプロジェクトを選択して結局スクラップにせざるを得ないリスクは、割に合いません。期待以上の結果に結びつくとあなたがわかっているエージェンシーとの仕事を選んでください。

どうぞよろしくお願いします。

署名

これは強気な戦術ですが、効果的だということに気づきました。マーケットに関する知識、そしてエージェンシーの仕事という両面において、力強い自信を示すことができます。

さらに、これは業界についての見取り図をクライアントに理解してもらう効果があり、プロジェクト失敗に帰結する落とし穴についても警告しています。そして、プロジェクトの失敗という妥当な懸念点を強調するという副次効果もあります。一般に、入札額の低い業者をクライアントは警戒することにもなるのです。

改修対応の回数が制限されているのはなぜですか?

思うに、クライアントは無限に修正を続ければ思い描いた通りのプロダクトに行き着くと考えている節があります。しかし、わたしの経験からいえば、それは事実ではありません。また、明らかな理由により、無制限の修正対応はエージェンシーのマージンを削ってプロジェクト自体を破綻させる危険があります。

これを丁寧に説明した例がこちらです。

○○

わたしたちは、最大で2回までの修正をご提供します。大方の契約では修正期間は一度ですが、わたしたちは喜んで例外を受け入れます。もしプロジェクトが2回を超える修正を必要とするなら、エージェンシーとクライアント様との間に、ビジョンに関するミスコミュニケーションがあると考えられます。この場合は、ご相談が必要です。

もちろん、わたしたちはクライアント様がプロダクトに満足していただけるよう全力を尽くします。2回の修正期間を超えてなお作業の継続が必要と御社が判断される場合は、1時間あたりまたは1日あたりの割引レートで継続作業を提供させていただきます。

正直なところ、ほとんどのクライアント様は初回のプロダクトまたは1度の修正を経たプロダクトに満足されています。プロジェクト期間を通じて、何度か重要な確認ポイントを設け、クライアント様とわたしたちが同じ認識になっているかどうかをチェックしています。このようにすることで、プロジェクトのどのタイミングであっても、最終プロダクトのイメージを明確に持っていただくことが可能です。

よろしくお願いします。

署名

このレスポンスは、制限された修正回数がいかにベストな体験をクライアントにもたらすかに焦点を当てています。超過仕事や違約金を焦点にするのとは真逆です。彼らの利益を第一に考えているということを、どんな連絡手段においてもクライアントに伝えるようにしましょう。

エージェンシーとクライアントの関係は、信頼と最終納品物のクリエイティブなビジョンの共有が基礎にあるということを、相手に思い出させるのが重要です。

 

外注業者がプロジェクトに参加している必要はあるのでしょうか?

多くのエージェンシーは、請負業者をフルタイムの社員ではなく臨時スタッフとして留めています。このモデルの利点は、会社の運営者にとっては明らかです(販路に合わせた労働力、閑散期の負担の軽減、特定プロジェクトに専門家を入れる柔軟性、税の軽減など)。

しかし、クライアントの中には、エージェンシーにお金を払ったのに結局外注に「丸投げ」されてしまったと考える人たちもいるでしょう。彼らが考えるのは、「それなら直接外注業者に仕事を頼めばよかった」ということです。そこで、エージェンシーの定義を明確にし、品質保証のためのセーフガードを保持していることを説明して、彼らを安心させることが重要になってきます。

○○

ご質問ありがとうございます。ここでいくつか説明させていただけることを嬉しく思います。

わたしたちのエージェンシーは、優秀な人材の集まりであり、彼らはシニアパートナーによって注意深く選ばれ、マネジメントされています。わたしたちはプロジェクトに最適な人材を欲しているため、請負業者とも連携して仕事をします。そしてそれは、あなたのブランドと歩調を合わせる特殊なスタイルとスキルを持った人を迎え入れることを意味します。

御社のプロジェクトは、つねにシニアパートナーが監督しています。プロジェクトを受注して、外注に回しているだけなのではありません。わたしたちが連携する請負業者は、過去に我々のプロジェクトを成功させた実績があり、数ヶ月または数年の関係性があります。新規の請負業者に単独でプロジェクトを任せることはありません。新規の業者は、最初はシニアパートナーの監督の元、いくつかのプロジェクトをこなして、我々の水準で仕事ができるかどうかをチェックされます。

社員の手による仕事も外注業者が請け負う仕事も、すべての仕事は社内のレビュープロセスを個々のプロジェクトマイルストーンにおいて受けています。こうすることで、プロジェクトがスケジュール通りに、わたしたちの水準レベルで実行されるよう確実を期しているのです。社員および外注業者は、常日頃からシニアパートナーが直接マネジメントしています。

どうぞよろしくお願いします。

署名

多くのクライアントの疑問や懸念は、アセット構築やプロダクションにおける知識や情報の欠如によるものです。クライアントリレーションシップのマネジメントに教育的アプローチを取り込むことで、クライアントエクスペリエンスはしばしば向上します。

このケースでは、外注を使うのはエージェンシーにとって一般的なやり方なのだとクライアントに知ってもらうことで、彼らの懸念を和らげることができます。この質問に積極的に取り組むことはベストプラクティスとなり、あなたのビジネスモデルにおける自信と、外注作業の質の高さを示すことになります。

作業期間の延長で我々が追加費用を負担するんですか?

プロジェクトの遅延についてクライアントと話すのは楽しい体験ではありません。とくにエージェンシーが固定料金で仕事をしている場合には。当初のコストと時間の査定よりもプロジェクトが膨張していることに気付いているクライアントが、あなたの仕事をやりやすくするために、どれくらいの超過コストが今後の展開において必要になるか積極的に聞いてくれることもたまにあります。しかし、これは期待していいことではありません。作業指示書(Statement of Work)がうまく作成できていて、契約内容の表示として提案の要約がされているなら、その契約内容を参照することもできます。

物事がそれほど明確になっていない場合、次のようにクライアントとのコミュニケーションを始めるが良いでしょう。

○○

わたしたちの最近の会話から判断すると、プロジェクトのスコープが当初の見積もりから変わってきているようです。最初に時間とコストを計算したときは、(X)の成果物を得るには(Y)日間の作業と(Z)円の材料費がかかるとされていました。

直近のミーティングで、御社のチームは(1)(2)(3)という少し異なるアプローチを取りたいとのことでした。

弊社でプロジェクトを再査定した結果、(A)の成果物を得るには、さらに(B)日の作業と(C)円の材料費が発生するとわかりました。

もちろん、当方としては新しい方向へプロジェクトを移行することに異論はありませんが、時間とコストの変更を説明するために、作業指示書の修正によってプロジェクトの変更に対処する必要があります。当初の納期にできるだけ寄せられるようわたしたちのチームは最善を尽くしますし、カレンダーを確認してから、新しいプロジェクトタイムラインをお送りします。

プロジェクトスコープの変更は予期できないものなので、変更の性質や追加となる時間およびコストの査定についてご質問がある場合は、お気軽にお知らせください。喜んでお電話させていただきます。

よろしくお願いします。

署名

作業スコープの変更という点に関しては、非常に細かい確認をすることが重要です。往々にしてクライアントは、小さい変更に見える実際には大きなプロジェクト上の変更を理解していません。プロジェクトの細部に関する変更の「ビフォーアフター」を強調することで、なぜそれがコストに影響するのか、クライアントに明確なビジョンを持ってもらうことができます。

こちらが満足していない仕事を改修してもらうのに追加費用がなぜ必要なんですか?

プロジェクトの遅延よりも厄介なのは、納品物にクライアントが満足しないことです。クライアントに良くない体験をさせてしまうと、悪い評判は良い評判よりも早く世間を駆け巡ります。納品物に対する不満に対処する最良の方法は、それを直すことです。とはいえ、採算度外視で赤字の仕事をすることは、どのエージェンシーにとってもオプションになりません。

下記は、プロジェクトの仕事を続けるにあたり、超過費用が発生することに関して透明性を提供するクライアントへの連絡例です。

○○

最終的な納品物にご満足いただくことはわたしたちにとって何より重要であり、それを実現するために全力でコミットします。わたしたちは喜んで、プロジェクトを延長し、これらの改修をできる限り早く完了させるために御社のプロジェクトを優先します。

クライアントサイドの一連のサインオフポイントにおいて承認をいただくことで、最終納品物にこれ以上修正が発生するのを避けるために最善を尽くしますが、このステップが抜けてしまったようです。前回のプロジェクト修正に関して御社からいただいていたフィードバックは、(1)(2)(3)でした。そしてわたしたちは、この修正に対応するために(A)(B)(C)を実施しました。どこかに見落としがあったら教えていただきたいと思います。

ポジティブな体験のご提供をわたしたちは望んでいるため、このプロジェクトの延長作業については割引レートの(X)で喜んでご提供します。小さなエージェンシーですので、予算がタイトになっています。無料で奉仕するとなると、経済的な理由から作業をすることができなくなってしまいます。

どうぞよろしくお願いします。

署名

こういう連絡は、さらなるミスコミュニケーションを生まないために、電話か対面で為されるのが理想的です。この主張の骨子は、プロジェクトを始める前に明確なクライアントのサインオフポイントを確立することに立脚しているので、作業指示書にそれがあることを確かめておくべきです。

繰り返しになりますが、細かいところまで注意を向けることが重要です。クライアントに対して透明性を高く保つほど、メルトダウンが起こりにくくなります。彼らのフィードバック、そして要求に応えるための変更について、詳細に説明しましょう。

 

クライアントとのコミュニケーション

わたしの経験では、ビジネス上のコミュニケーションの問題のほとんどは、透明性の欠如に起因します。前述した質問がすべてのプロジェクトで発生するとはいえませんが、これらの質問への回答は、最初のディスカッションで触れられるか、あるいは作業指示書で概説されるべきです。

クライアントとの最初の対立は避けたくなるものです。とくに販売交渉の最中には。しかし、考えられるすべての懸念に対して、積極的に事前に対処することが最善策なのです。迷いがあるときは、「自分がしてほしいことを他人にしなさい」という古い格言を適用しましょう。クライアントに共感し、あなたが業者と仕事をするときに期待するような礼儀正しさを、クライアントに向けましょう。 

原文: Nick Raushenbush 翻訳:深津望

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