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オムニチャネル vs マルチチャネル:違いや意味、実例を紹介!

オムニチャネルとマルチチャネルの違いを紹介

 昨今、流通販路が重複するEコマースやソーシャルセリング、デジタルマーケットプレイス、そして実店舗などの市場において、「オムニチャネル」および「マルチチャネル」という言葉をよく耳にします。しかしながらその二つの違いを説明することは意外と難しいものです。

この投稿を最後までお読みにならないようであれば、二つの言葉を以下で要約したのでぜひご参考ください:

  • マルチチャネル(いわゆる“複数”チャネル)は、商品を中心に展開されます。それぞれの買い物拠点で顧客の関心を引き、商品をその場で購入させるようにはたらきかける戦略のことです。マルチチャネルではそれぞれの販売経路が独自の縦割り型チャネルとして機能しているため、一つ一つの販売経路は別々の購買チャンスとして存在します。
  • オムニチャネル(つまり“あらゆる”チャネル) は、顧客を中心に展開されます。チャネル間にあふれ出た営業やマーケティング業務を連携させ、ブランドを横断した一つの顧客体験を作り出す戦略のことを示します。

ここでは、いずれかのアプローチを選択する際に必要な情報を説明していきます。

マルチチャネル・リテールとは何か

マルチチャネル・リテールでは顧客体験が入り混じり、顧客が好みに合ったチャネルを自ら選ぶ仕組みになっています。柔軟性はあるものの、ブランドはそのチャネル内で販売活動を完結しなければなりません。

マルチチャネル・マーケティングをスポーク付きのタイヤと例えてみてください。タイヤの中心部分を商品(売上)とします。タイヤの外径が顧客で、各チャネルはそれぞれ独立した購買機会を提供します。

ターゲット市場に最も高い効果をもたらすチャネルが特定できれば、そのチャネルに絞った的確なマーケティングを実施し、売上を最大化することが可能になります。

マルチチャネル・リテールはどう機能するのか

オンラインのマットレス販売企業、Leesa社が実施するマルチチャネル・アプローチを見てみましょう: 

チャネル 1:ウェブサイト

既存アカウントを持たない初めてのビジターには、二つのオーバーレイが表示されます。まず一つ目に、季節感をさりげなく添えた「ようこそ」のメッセージと、“100ドル割引” のオファーが表示されます:

上記を無視してサイトをブラウズすると、二つ目のオーバーレイ表示が出てきます。例えばあるユーザーがマットレスを1つ選択しカートに追加したのにも関わらず、購入を中断したとしましょう。

ユーザーがページを閉じようとすると、“100ドル割引” オファーにメールアドレスのオプトイン欄が付いたCTA(コール・トゥ・アクション/行動喚起)がポップアップで表示されます。Leesa社が後日ユーザー宛てに連絡を取ることを、メールアドレスを入力することにより許可するという仕組みです: 

登録したユーザーは、初回購入を促す内容が記された一連のメールを受け取ることになります。

“Finish Shopping(ショッピングを完了する)”をクリックすると、先日カゴ落ちした商品に100ドル割引が既に適用されたカートへと移動します:

このように、Eメールとネットショップは、一つのチャネルのように連携して機能します。

チャネル 2: マーケットプレイス

Leesa社はAmazonでも商品を販売しています。ユーザーが自社サイト上での購入を中断し、Amazon上でより低価格で販売されているかどうかを確認したとしても、Leesa社がスポンサー検索の上位企業として表示されるようになっています:

単純に商品を販売するだけでは十分ではありません。マルチチャネルでは、さまざまな販売経路において、その場で完結する販売機会を提供することが重要な鍵となります。

それため、Leesa社はAmazon上でも自社サイトと同じように、商品の動画やユーザーレビュー、そして商品のユニークな価値についての詳細説明などが揃った 、しっかりとしたオンライン・エクスペリエンスを提供しているのです。

チャネル 3: Facebook

まだチェックアウトを完了していないユーザーがFacebookにアクセスすると、カートに残しておいたマットレスの画像がFacebook上に現れます。また、追加広告がフィード上にも表示されます:

Facebook広告に比較的高めの価格を掲載すれば、ユーザーをLeesa社のネットショップへと導くことができます。もしくはFacebook上のショップ購入ボタンを通して、Facebook上で購入を促すというアプローチを取ることもできます。

チャネル 4: Pinterest

Leesa社はPinterestのBuyable Pin(お買い物ピン)機能(日本未上陸機能)を通して、Pinterest上に商品を掲載し、その場で販売しています。

このように、マルチチャネル戦略内の各チャネルは、別々の購買機会として存在しています。 

オムニチャネル・リテールとは何か

では、今度はオムニチャネルリテールについて見ていきましょう。オムニチャネル・リテールは没入型アプローチで、商品ではなく顧客中心に展開されます。それぞれのチャネルを使用するユーザーに合わせたコミュニケーションを取り、彼らが顧客ライフサイクルのどのステージにいるかを認識することが重要になります。一つ一つのチャネルを独立したものと見なすことなく、顧客はどこからでも商品を買うことができます。オムニチャネルはチャネル間の余剰を処理し、チャネル内とチャネル間において顧客体験を提供します。

オムニチャネルは基本的に異なる販売チャネルやマーケティングチャネルの境界を取り除き、一つにまとめられた統一体を作り上げます。そのため、自社サイトやSNS、モバイルサイト、実店舗、そしてインスタントメッセージなどのチャネルの境界線は、顧客の視点および一回毎の購買体験からは区別がつかなくなります。

スポークタイヤに例えたマルチチャネルアプローチの代わりに、オムニチャネルはウェブサイトやEメール、リターゲティング広告、SNSマーケティング、そして実店舗などをすべてひとまとめにした上で、顧客のためにカスタマイズされたオファーや商品、そしてメッセージを提供します。

オムニチャネル・リテールはどう機能するのか

上記で説明したLeesa社のマルチチャネル・アプローチをオムニチャネル・アプローチに変えたとしたら、以下のようになるでしょう: 

1.ある顧客が自社のネットショップ上でクイーンマットレスをカートに追加し、購入しないままショップを後にします。

2. その後まもなく、顧客は “100ドル割引” の販促オファー付きのメールを受信しますが、それを無視します。

3. 同時に、同じクイーンマットレスと “100ドル割引” のクーポンが、顧客のFacebookやPinterest、Instagram、そしてYouTube上で、1週間にわたり煩わしくない頻度で表示されます。

4. 1週間経っても反応がなければLeesa社はアプローチを変え、社会的責任などに焦点を当てた広告を掲載します。その中ではCTAを用い、Leesa社の社会貢献紹介ページをチェックするよう顧客に促します:

5. YouTubeのプレロール広告で、Leesa社がサポートしているアリゾナ州の家族再会支援NPO団体、フェニックス・ドリームセンターについての動画が流れると、ようやく顧客が反応します。

6. 顧客はLeesa社のサイトを再訪し、もう一つの動画を見た後、今回はクイーンサイズではなくキングサイズの商品ページをチェックします。

7. それに対応すべく、社会的責任関連の広告が表示され、同時にメールが送信されます。今回は内容が2ヶ所編集され、キングサイズマットレスが表示されているのに加え、割引額が150ドルに増額されています。

8. 顧客はFacebookにある商品をクリックして配送先情報を入力しますが、購入する前に実際に試した方がいいと考え直し、再びカートを破棄します。

9. Leesa社はカゴ落ちすることに先んじて 、顧客の住所がニューヨークのショールームに近いことを察知しておきます。

10. 二日後、顧客の手元にはカスタマイズされた招待状が届きます。招待状にはLeesa社のドリーム・ギャラリーにて、キングサイズのマットレスを実際に試すことを勧めた内容が記されています。

11. 顧客がついに話に乗ってきます。ショールームに訪れ、マットレスを購入し、お会計でLeesa社のShopifyによるPOSシステムを使って決済を済ませます。顧客のアカウント内容は決済時に自動的に更新されます。

12. 顧客が自宅に戻ると、“ご購入ありがとうございます”と記されたEメールがすでにメールボックスに届いています。1週間後には、マットレスのレビューを依頼する旨のEメールがもう一通届きます。

13. Eメールは両方とも無視されます。Leesa社は社会的証明、つまり実際のユーザーからのフィードバックを大切にしているため、Facebookのメッセンジャーを通して顧客にレビューを依頼します。

14. 顧客はそれに同意し、Facebookメッセンジャー上からLeesa社に星5つ中5の評価を与えます。

15. 顧客の新しいマットレスへの満足度と、過去2回にわたるコミュニケーションを参考にし、Leesa社は郵便とメッセンジャーを通して顧客にメッセージを送付します。そこには、“お友達紹介”プログラムについての概要が記されています。

16. その間、FacebookやPinterest、Instagram、そしてYouTube上のマットレス広告は一旦停止されます。その代わりにある一定期間を通して、Leesa社のブランケットに関する広告が段階を経て掲載されます。

17. その後、Leesa社の予想に反し、顧客はブランケットを3枚購入します。それがきっかけとなり、ソーシャルサイトとEメールの両方から、新しいマットレス広告が自動的に発信されます。

18. 顧客は受信したEメール上にあるリンクからネットショップへ移動しますが、何かを購入する代わりに、Leesa社のローン支払い関連のページで時間を費やします。

19. これは、顧客がマットレスを追加購入したいと考えているものの、価格に敏感であることを意味しています。

20. 次に送信されるEメールやFacebook広告には、そのニーズに訴える内容が表示されます。

このようにオムニチャネル戦略では、それぞれの顧客行動によって次に取るべき対応策が決定されます。そのため、一つ一つのインタラクションが顧客体験に変化をもたらします。ブランドの取る対応は思い付きではなく、チャネル内やチャネル間における顧客行動と連動したものなのです。

オムニチャネル vs マルチチャネルの選択

より円滑な顧客体験を提供できるオムニチャネルの方が一見合理的な選択肢だと感じますが、実際はそこまではっきりとしたものではありません。事業を始めるに当たり、実店舗にするか、もしくはデジタルベースで始めるかによっても、 “どちらのアプローチを取るべきか” ということに違いが生じてきます。

小売事業をオムニチャネルに変更するには、多大なる資金が必要になります。しかも、途中で止めることはできません。機能を果たさないオムニチャネル技術は、技術を持たないことと同じ結果を生むことになってしまいます。

オムニチャネルが理想的な販売戦略である一方で、事業によってはマルチチャネルから始めてみることが得策な場合もあります。

意思決定をする際には、以下の二つのキーコンセプトを考慮に入れてください:

  • リソース(資金、人材)- オムニチャネル・エクスペリエンスの提供には、ITへの投資をはじめ、的確で優れたインフラストラクチャーや技術スタック、そしてシステムを統合・実行していくための確固たるビジョンが必要になります。もしあなたがヘッドレスコマース基盤を構築したなら、しっかりとしたコンテンツ管理システムが必要になります。伝統的なプラットフォームをお使いの場合には、商品情報管理(PIM)システムがテクノロジーの中枢となるでしょう。社内に ITスタッフがいない場合には、Eコマース技術の専門家を雇用する必要性が出てくるかもしれません。
  • 柔軟性 - オムニチャネルに移行するにあたっての大部分は、人とインセンティブにかかっています。チャネル毎の売上結果に報いるようなインセンティブを奨励することは、それが隣接するチャネルや顧客体験全体に影響を及ぼすかどうかにかかわらず、しないようにしてください。また、従業員からの賛同を得ることも非常に重要です。

CMO(最高マーケティング責任者)やCIO(最高情報責任者)は特に、共通したビジョンを持ち、組織全体にその考えが行き渡るようにしなければなりません。また、オムニチャネル移行を実行するにあたり、プロジェクトを先導する幹部チームには、必ず技術的経歴を有する人を配置するようにしてください。

ご自分のブランドに適したアプローチを識別することは、まずオムニチャネルとマルチチャネルをしっかりと理解することがから始まります:

近い将来、今では想像もできない、技術的にも実現可能だとは思えないようなチャネルが構築されていくはずです。マルチチャネルまたはオムニチャネルのどちらに投資するにせよ、そのような新しいチャネルに順応できる柔軟性を展開することが、あなたの事業の成功を左右することになっていくでしょう。


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