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リアル店舗で魅せる、新たな顧客体験【ニューヨーク発、最新EC事情〜リアル店舗化が狙うコミュニケーション編〜】

アメリカでは新型コロナウイルスの変異株が南部の州を中心に流行しているようですが、ワクチン接種の比較的進んでいるニューヨークはマスクをしている人は多いものの、街中は賑わいを見せています。経済再開のタイミングから徐々に、新しいお店のオープンも始まり、ニューヨークの街は、物語の新たな章が始まったかのようです。

パンデミックによりEコマースでの買い物が中心となり、今までの消費行動が一気に変わったのは昨年のこと。経済再開後もオンラインでの買い物やコミュニケーションがなくなることはありませんが、ロックダウンが終わったことで改めてリアル店舗を通して顧客との接点を生み出そうとしているブランドも少なくはありません。近年D2Cで成功を収めたブランドがネクストステップとしてリアルな店舗を構えるという動きが見られましたが、経済再開とともにニューヨークでは今までリアルな店舗を持たなかった企業が出店を行うケースも見られ、新たな顧客体験の創出に力を入れていることが伺えます。

広告収入がメインのGoogleが世界初のリアル店舗を出した理由

世界最大の検索エンジンとして私たちの生活を支えているGoogleが6月17日にニューヨークのチェルシー地区にあるGoogleニューヨークオフィスの一階に世界初のリアル店舗である「Google Store」をオープンしました。大規模なプロモーションを行なっていないからか、実はあまり知られていないGoogle商品の数々。広告収入が8割にものぼると言われる同社がリアル店舗をニューヨークに構えた意味とは何だったのでしょうか?


店舗はニューヨークのGoogleオフィスの一階に位置しています

燦々と日が差し込む開放的な店内に足を踏み入れるとGoogle製品のPixelやスピーカーのNest各種 、Fitibitのスマートウォッチなど、「Googleの製品って、こんなにあったんだ」と気づかされる充実のラインナップが陳列されています。そして、実際に商品に触れることで同社の商品への興味の喚起や使い心地の良さを訴求していこうという狙いが見られます。実際、iPhoneユーザーの筆者も、Pixel5を使ってみた際、カメラの性能の良さにびっくりしたものです。

また、Pixel5に使用されているアルミニウムは100%リサイクルされたものという説明書きが商品の横に置いてあり、小型スピーカーNest Miniも同様に、リサイクルのペットボトルから作られているという説明がありました。これらの2つの商品は店外から見えるディスプレイによって、リサイクルされた素材から作られたことがアナウンスされるなど、サステナビリティに力を入れたものづくりをしていることに気づかされます。


商品スペックよりも前に出されたサステナビリティ関連商品だというポップ

外の通りから見えるディスプレイにもNest Miniがリサイクルペットボトルから作られたという説明がされています

Google Storeはニューヨークを拠点とする建築スタジオReedymadeによってデザインされ、内装にはコルクやリサイクル資材が使われています。驚いたのは、この店舗がLEED認証(米国グリーンビルディング協会が開発、運営を行なっている建物と敷地利用に関しての環境性能評価システム)の最高レベルであるプラチナを獲得しているということ。同認証は環境を軸に複数の観点から評価が行われるため、プラチナを獲得するのはなかなか大変なものです。

家具はブルックリンの家具アーティスト、ダニエル・ミカリック氏による温かみのあるコルクや木製のもので、ローカルのビジネスをサポートしています。また、フローリングはスウェーデンの会社による工場廃棄物を100%リサイクルしたフローリングを使用し、サウンドプルーフの壁には100%PETプラスチックから作られたフェルトを使用するなど、一見すると判断が難しいのですが、実のところ、徹底的に環境へ配慮した設計がされています。正直、Google Storeに足を運ぶまではGoogleという企業がサステナビリティに力を入れているという認識はありませんでした。


LEEDプラチナム認証の証明パネルとともに、同社の理念が書かれている柱が店舗内に

リサイクル資材を用いた家具も一見しては分からないもの

英語で言った言葉が瞬時に20カ国以上の言語に翻訳され、目の前のスクリーン映し出されるブース

リアル店舗化によるメリットとは?

  • 実際に商品を手にとってもらう場所を提供し、製品への理解を深めてもらう
  • 企業として消費者に伝えたい理念を具現化する空間を提供することができる
  • 企業と消費者がコミュニケーションを取れる場を提供し、コミュニティの構築をすることで、より強固なファンを獲得することができる

広告収入メインの企業がわざわざリアル店舗を構える意味。実際の店舗を通して実際に商品への理解を高めてもらうだけでなく、消費者への企業理念の啓蒙という意味でもGoogle Storeは消費者にGoogleという企業の新たな一面を見せてくれるに違いありません。

美容雑誌「Allure」がソーホーにリアルな店舗をオープン

アメリカでも人気の美容雑誌「Allure」の実店舗が7月1日にマンハッタンのお洒落エリア、ソーホーにオープンしました。実際にお店に足を運んで見ると、雑誌の世界観、コンセプトがそのまま誌面から出てきたような雰囲気。


トレンドを牽引する雑誌だけあり、ソーホーの一等地にオープン

さらに中に足を進めてみると、雑誌と呼応する内容のキャッチコピーがメタル版に書かれ、その下にキュレーションされた実際の商品が陳列されています。通常のビューティーショップのようにカテゴリー別に商品を陳列するだけでなく、企画に合わせ“編集”された商品が並んでいるのはさすが雑誌のリアル店舗。店舗中央には“エディターズチョイス”のコーナーがあり、訪れた際はヘアケア特集が行われていたので、編集者が選んだオススメのヘアケアグッズが並んでいました。この商品セレクトは「Allure」という雑誌の編集者が選んだという安心感と信頼感があるため、「ここの店舗にくれば買い物は失敗しない」という安心感を消費者に与えることができるのは「Allure」ブランドあってこそ。こうした商品セレクトは90日ごとに更新されるため、雑誌との連動で常に新たな提案をすることで店舗をフレッシュに保つことができます。


雑誌の特集内容に合わせたタイトルが商品とともに飾られているのは雑誌ならではの見せ方

エディターズチョイスのコーナー

デジタルを駆使して雑誌を読みながら商品選びをすることができるのもこの店舗の特徴です。すべての商品につけられたポップにはお会計用の「CHECK OUT」用のQRコードと、その横には「BRAND EXPLORE」というQRコードがあります。そもそもレジというものがないため、商品を購入したい場合は「CHECK OUT」のQRコードから自分で注文をするか、店内のスタッフにお会計を頼むことになります。

「BRAND EXPLORE」のQRコードを読み込むと、ブランド説明に加え、インフルエンサーのInstagramやTikTokに繋がっているため、インフルエンサーによる商品のレビューを見ることができるのも商品購入の決め手となります。YouTubeでは多くのインフルエンサーがそのブランドの商品を使いながらレビューをしている様子を見ることができます。ビューティー業界ではインフルエンサーの影響力が大きく、彼女たちが商品を使用した動画などによって購入に繋がるケースも多く、インフルエンサーコンテンツをリアル店舗にも落とし込むことで商品の魅力をあらゆる角度から伝えています。

このQRコードを活用し、商品情報をデジタルコンテンツと紐づけることで、お店に商品を陳列しているだけではない広がりを見せることが出来ます。まさに、リアル店舗にいるにも関わらず、雑誌をめくりながら商品を選んでいるような感覚。店舗内には実際に商品をタッチアップできるテーブルや、アプリと連動し、メイクをした後にその写真を携帯電話へとシェアすることのできるLED付きのミラーもあり、オンラインとオフラインを掛け合わせた仕掛けが散りばめられています。


すべての商品横にQRコードのポップが置いてあります。「BRAND EXPLORE」はインフルエンサーコンテンツとも紐づいている充実した内容

実店舗化によるメリットとは?

  • 雑誌の中だけでは表現することのできなかったデジタル×リアル店舗での新たな買い物体験を提供することができる
  • 雑誌で提案しているコンテンツを店舗で販売することにより、直接売り上げに繋げることができる
  • 顧客情報を持つことにより、今後の雑誌の編集企画にも役立てることができる
  • 雑誌のブランドイメージが確立されているため、消費者としても安心して商品を購入することができる

ニューヨークではアマゾンのリアル店舗「Amazon Book」や「Amazon 4stars」などもあるほか、ウェブマガジン&Eコマースの「goop」や「glossier」がリアル店舗を出すなど、Eコマースやウェブマガジンで成功を納めた人たちが、新たなビジネスモデルを求めてリアルな店舗を出すという実験的な試みをできる都市でもあります。


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