時間や場所に縛られず低リスクなネット起業は、新規事業の立ち上げを考えている方や、これから起業家を目指す方にとって有効です。
起業するには誰もやっていないアイデアが必要だと思われがちですが、既存のビジネスモデルを参考に自分の好きな分野・得意分野で事業を始めたり、いくつかのアイデアを組み合わせたりすることでも形にできます。
この記事では、新規事業のアイデア例を22個紹介します。海外で人気のアイデアも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ネットショップの新規事業アイデア8つ

1. せどり
せどりとは、オークションや店舗などで新品や中古品を仕入れ、仕入れ値より高く販売する事業です。特別なスキルは不要で時間に縛られずに始めることができるため、副業として始める方も多いビジネスモデルです。
需要がある商品を安く仕入れ、適切な価格設定を行うことが重要なため、市場調査や競合調査を通して商品ニーズや販売価格の相場を見極めたり、Googleトレンドで検索ワードの人気度や検索ボリュームを把握し、将来的な需要も予測したりて商品選定するといいでしょう。なお、中古品を扱う場合は古物商許可が必要なため、忘れずに申請しましょう。
2. ドロップシッピング
ドロップシッピングとは、あらかじめ商品を仕入れず、注文が入った時点でメーカーやドロップシッピング業者が購入者へ直接発送するビジネスモデルです。
在庫を持たずに商品を販売でき、梱包や発送もメーカーや業者が請け負うため、出荷作業の手間やコストが不要になるメリットがあります。そのため、ドロップシッピングは初心者でも始めやすい事業と言えます。また、Shopify(ショッピファイ)を使えば、国内だけではなく海外など世界へ向けてドロップシッピングビジネスを展開することもできます。
3. ホワイトラベル
ホワイトラベルとは、メーカーが開発・製造した商品やサービスを、自社のブランド名で販売するビジネスモデルです。
製品の開発にかかる初期投資や設備投資が不要で、専門メーカーならではの安定した品質で製品を販売できます。ドロップシッピングに対応しているホワイトレーベル商品を扱えば、在庫を抱えずに自社ブランド製品を販売できます。主に、化粧品やスマホアクセサリー、ペット用品などがホワイトラベル製品として販売されています。
4. ペット用品販売
ペット用品は今後さらにニーズが高まることが期待される市場の一つです。ペットを家族として大切にする人が増えており、ペットウェアやカート、オーガニックフードなど付加価値の高い商品が人気を集めています。
競争が激しい商品を扱う場合は、個性的なデザインや独自の機能を加えたり、特定のペットやライフスタイルに限定したペット用品を開発したりして差別化を図りましょう。ペットビジネス起業には注目が集まっており、今後もさらに成長が期待できます。
5. サブスクリプションサービス
サブスクリプションサービスは、月単位や年単位で料金を支払ってもらい、顧客に商品やサービスを一定期間利用する権利を提供するサービスです。
月額料金制のアプリやウェブサービス、ブランド品のレンタルサービス、「毎日コーヒー1杯無料」といった飲食店の定額サービス、セレクト商品の定期購入など、近年はさまざまな業界で多彩なサブスクリプションサービスが誕生しています。ユーザーが増えるほど収益が拡大していくストック型ビジネスであり、日常生活の中からアイデアが生まれることも多いため、サブスクビジネスでのアントレプレナーも増えています。
6. 古着販売
高い利益を狙えることから、古着販売は新規事業のアイデアとして注目を集めています。自宅にある服を売る小規模なものではなく、需要が高いジャンルやニッチな古着を仕入れて販売するビジネスなど、手段も多様です。
特に海外販売も視野に入れると、国内市場だけでは思いもしなかったニーズが見つかるケースもあるでしょう。海外向けのECサイトを構築する手間を抑えるのであれば、有名なECモールに出店することで簡単に海外への販路を開くこともできます。Shopifyなら越境ECにも対応していて、多言語・多通貨機能や海外発送の簡易化ができ、海外販売が初めてという人にも安心です。なお、日本で古着販売を行う場合は、古物商許可が必要になるため注意しましょう。
7. リセラー
リセラーは、いわゆるディーラーや販売代理店とも呼ばれるビジネスモデルで、メーカーや卸売業者との契約に基づいて、仕入れた製品を消費者に販売する事業です。
商品を製造する必要がなく、またセールスレターや製品画像といった販売キットがあらかじめ用意されているケースもあり、自身の販売戦略やスキルによって収益を生みだすことができます。
8. アフィリエイト
アフィリエイトは、ウェブサイト上に設置した広告の閲覧数や、商品・サービスの紹介を通じた販売数などに応じて、報酬を得られるビジネスです。
ウェブサイトやSNSアカウントさえ用意すればすぐに始められるため、スマホ副業や在宅で稼ぐ方法として人気となっています。紹介する商品に関連した価値の高い情報や、効果的なSEO対策で安定した訪問者数を確保できるようになると、運営に大きな手間をかけずに収益を生みだすこともできます。
クリエイティブを活かす新規事業アイデア4つ

9. ハンドメイド販売
アクセサリーや洋服、かばん、キャンドルなどのハンドメイド販売は、在宅で稼ぐ方法として人気なものの一つです。
既製品や大量生産品とは異なる、オンリーワンのアイテムに魅力を感じる顧客もたくさんいます。すでに趣味としてハンドメイド作品を作っている人の場合は、ハンドメイト販売サイトを活用すればすぐにビジネスを始めることができます。販売する商品が決まっていない場合は、ハンドメイドで売れるものから自分が作れるものを選ぶといいでしょう。ただし、食品や手作り化粧品など取り扱い商品によっては許認可が必要になるため、注意しましょう。
10. 自作ステッカー販売
自作ステッカー販売は、低価格ですが製造コストも低く、利益率を高く設定できるメリットがあります。
自宅のプリンターで印刷することもできますし、材料は100均で販売されているものも多く、手軽にそろえることができます。手作りしてECサイトなどで販売するほかにも、専門業者に委託したり、ドロップシッピングを利用して印刷から加工、発送まで任せたりすることも可能です。
11. オリジナル商品販売
自作の絵やイラストを、Tシャツやスマホアクセサリーといったアイテムにプリントしてオリジナルの商品やブランドとして販売することもできます。
オンデマンド印刷会社を利用すれば、大量の在庫の準備や大きな初期投資を行わずとも、自分のネットショップなどで販売を始めることが可能です。またこうしたオリジナルグッズ販売は、Twitch(トゥイッチ)やYouTube(ユーチューブ)配信者の間でも活用されています。
12. プリントオンデマンド出版
プリントオンデマンド出版は、オンデマンド印刷を利用して自著の書籍を出版することです。
従来の自費出版の場合はまとまった部数での印刷・製本が必要なため、初期費用が高額となり在庫を抱えてしまうリスクもありました。しかし、プリントオンデマンド出版であれば必要部数のみ印刷することが可能で、リスクは最小限に抑えられます。表紙はソフトカバーのみであったり、カラー印刷は割高になったりする傾向があり、書店での販売は難しいデメリットもありますが、出版のハードルがとても低くなるため創作活動の趣味を仕事にしたい人にもおすすめです。
スキルを活かす新規事業アイデア3つ

13. インフルエンサー
インフルエンサーとは、ブログやSNSなどのメディアを使って自身の知名度を上げ、情報発信することで報酬を得るビジネスのことです。
インスタで稼ぐインフルエンサーがその代表例と言えるでしょう。インフルエンサーとして報酬を得るには、ブログやSNSを通じてファンを集め、企業からのPR依頼を獲得する方法が一般的です。前述のアフィリエイトやネットショップでの商品販売、コンテンツやオリジナルグッズの販売などの事業と合わせて行うことも可能です。インフルエンサーとして活動する場合は、自分の投稿がステマにならないよう注意が必要です。
14. デジタルコンテンツ販売
音楽や動画、電子書籍、eラーニングなどのデジタルコンテンツは、一度作成すればオンラインで繰り返し販売・配布でき、また在庫を抱えないため低リスクで始められる点が大きなメリットです。
特にeラーニングやオンライン授業の場合は、得意分野を活かして起業をするのに最適です。特殊な機材を使わずとも、普段使用しているパソコンやスマートフォンからコンテンツを作成でき、生産や発送も必要ないため利益率も高く設定することもできるでしょう。
15. ゲーム関連
ゲーム市場も、近年は多様化が進み注目すべきビジネスとなっています。
パソコンや家庭用ゲーム機、スマホなどのゲーム制作も、ツールを利用すれば高度なプログラミングなしで行えるようになり、個人で作ったインディーゲームの裾野が広がっています。また、Twitchなどを通じたゲームプレイの配信者や、スポンサーシップを獲得したeスポーツのプロプレイヤー、攻略・宣伝サイトの構築など、ゲームに関わる職種は広がり続けています。
海外で人気を集める新規事業アイデア7つ

16. サイト売買
サイト売買(M&A)では、自分が立ち上げたウェブサイトを販売したり、既存のECサイトやウェブサイトを購入して運営収益を獲得したりするビジネスモデルです。
ウェブサイトの購入側は、すでに出ている実績に基づいてページビューやユーザー数を見込めるため、集客やマーケティングへのコストや時間を削減できることがメリットです。ウェブサイトの売却を前提として、集客や話題づくりに特化した戦略を組み立てるサイト運営者もいます。
17. ホワイトハッカー
ホワイトハッカー(エシカルハッカー)とは、セキュリティ診断・強化を目的に、企業や組織、個人などのパソコンやネットワークへ侵入し、システムやネットワークの脆弱性を見極める仕事です。
これにより、企業や組織は将来的なサイバー攻撃を防ぐための有効なセキュリティ対策を講じることができます。倫理的ハッカーとも呼ばれ、CEH(Certified Ethical Hacker)のような認定資格もあります。
18. バーチャルイベントプランナー
近年は、バーチャル展示会・ライブストリーミングイベントなど、関連企業や顧客向けにVR(バーチャルリアリティー)空間でイベントを開催する企業が増えています。VRイベントでは、リアルイベントと比べて会場費や設営費を削減できる、天候に左右されない、世界各地からの参加者を募ることができるといったメリットがあります。オンラインでの展示会やウェビナーを開催するための技術やノウハウがないことに悩む企業は少なくないため、バーチャルイベントを企画・主導するプランナーのニーズも増加しています。
19. オンラインアシスタント
ここでいうオンラインアシスタントとは、オンライン上でさまざまな業務をサポートするサービスのことです。
スケジュール管理や議事録作成、請求書や見積書作成などの業務のほか、業界調査や提案書作成などの営業サポート業務に対応している場合もあります。パソコンとネット環境があればどこでもできる仕事で、秘書や経理などの知識や経験を活かすこともできます。
20. 3Dプリンターでの制作販売やモデリングデータ販売
立体物を制作できる3Dプリンターを活用した作品や、3Dプリント用のモデリングデータを販売するケースも増えています。
3Dプリント技術は目覚ましい発展を遂げていて、おもちゃや模型などの小物に限らず、一人ひとりに合わせた義肢や、工業製品のサンプル用などのデータが発注されている事例もあります。
21. メンタルヘルスケア
プライベートや仕事での不安や悩みの解決の糸口を見つけるために、オンラインでカウンセリングを受けられるメンタルヘルスケアは、需要の高まりを見せている事業の一つです。
特に、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、メンタルヘルスケアサービスを利用する人が世界中で増えたことが報告されています。臨床心理士や公認心理士などの専門家によるカウンセリングだけでなく、AIによるヒアリングやサポートサービスも効果を発揮していて、これからますますビジネスモデルや技術が発展していく分野と言えるでしょう。
22. マッチングサービス
マッチングサービスは、人と人、人とサービスをつなげるサービスです。近年は国内外で市場が急速に成長しており、レンタルスペースのマッチングや職人と工事依頼者のマッチングなどさまざまなマッチングサービスが誕生しています。
特に国内ではAirbnb(エアビーアンドビー)で空き部屋を貸し出して収益化するなどのCtoCマッチングサービス市場が拡大しています。参入の障壁が低く、在庫などが必要ないのがメリットですが、市場によってはすでに競争が激化し、収益化まで時間がかかるケースも少なくありません。需要が見込まれる市場を的確に選んだうえで競合と差別化を図り、そのうえでSNSマーケティングやSEO対策を徹底したブログ運営などを駆使して集客にも力を入れていく必要があります。
新規事業アイデアの見つけ方

人気の事業を分析する
現在人気を集めている事業やサービスを見つけ、長所と短所を分析してみましょう。そして、「今後も需要の高まりが期待できるのか」、それとも「短所を改善することでより良いサービスを生みだせないか」といった面を検討してみます。利用者の口コミや評判をチェックすることで、改善点を洗い出すこともできるでしょう。人気の事業を分析するには、最新のヒット商品予測も参考になります。
既存ビジネスモデルをアレンジする
成功例のあるビジネスモデルは、ちょっとした工夫やアレンジを加えれば、新規事業としてスタートできる場合もあります。ビジネスモデルとしてはすでに確立されているため、需要も予測しやすい点がメリットです。既存ビジネスモデルをアレンジする場合は、市場調査や競合調査を通して競合優位性を確立し、ブランドアイデンティティを明確にすることも大切です。
専門家や業界で成功している人にアドバイスを受ける
新規事業を専門としたコンサルタントや、業界で成功している人にアドバイスを受けることもおすすめします。多くの新規事業に携わってきた人物は、今後注目を集める可能性のある新規事業アイデアをすでに持っている可能性があります。また、第三者の視点からアドバイスを受けることで、リスクを予想して備えたり、効率的な戦略を見つけたりできる可能性もあります。同様に、特定の業界に特化している人物からは、現在進行形で必要とされている商品やサービスなどのホットな情報を得ることができます。
まとめ
インターネットの普及や技術の進歩により、働き方や自身の能力を踏まえた新規事業のアイデアが実現しやすくなりました。例えばネットショップで起業したい方は、せどりやドロップシッピング、そしてアフィリエイトなど、多岐にわたる選択肢の中から探すことができます。自身の芸術性を活かしたい場合は、ハンドメイド商品の販売やオリジナル商品販売も可能です。卓越したスキルを持っている場合は、デジタルコンテンツ販売やゲーム関連事業で起業するのもいいでしょう。また、サイト売買やバーチャルイベントプランナーのような海外で流行しているアイデアも参考にできます。
新規事業のアイデアは、奇抜なものでなければならない、ということはありません。むしろ、すでに成功しているビジネスモデルの中から、自分に合ったスタイルや工夫でスタートさせることが大切です。初めて起業にチャレンジするという人は、起業するまでの流れも参考にしてみてください。
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よくある質問
スマホでできる新規事業のアイデア例は?
スマホでできる新規事業のアイデア例として代表的なものは、写真販売やアフィリエイト、インフルエンサーなどです。
低予算で始められる新規事業のアイデアは?
ドロップシッピングやオンデマンド印刷などは、低予算で始められる新規事業アイデアです。そのほかにも、ポッドキャストなど0円で起業できる事業アイデアもあります。
新規事業アイデアの出し方は?
新規事業のアイデアを出す主な方法には、人気の事業を分析する、既存のビジネスモデルをアレンジする、専門家や業界で成功している人にアドバイスを受ける、の3つがあります。新規事業のアイデアはどこにあるかわかりませんので、普段から最新情報や業界の動向を注意深く観察することをおすすめします。
文:Ryutaro Yamauchi