新規事業やブランド構築に取り組む際、準備すべき重要な要素のひとつがロゴです。ロゴはビジネスの第一印象を左右し、ブランディングや信頼の構築に大きく貢献します。逆に、完成度の低いロゴは、マーケティングや販売戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。
しかし、創業初期や個人事業主の場合、プロのデザイナーにロゴのデザインを依頼する予算が確保できないことも少なくありません。また、デザインの専門知識がなければ、効果的なロゴを自作するのは簡単ではないのが現実です。
そこでこの記事では、ロゴが作成できる無料・有料サイトやアプリをまとめて紹介します。
無料のロゴ作成サイト・アプリ5選
1. Shopifyロゴメーカー

Shopify(ショッピファイ)ロゴメーカーは、専門的な知識がなくても無料でプロ品質のロゴを簡単に作成できるサイトです。スマホからの操作にも対応しており、アプリ感覚で手軽に利用できるのが特長です。
何度でも無料で利用できるうえ、会員登録や追加料金も必要ありません。ブランド名を入力し、該当する業界を選ぶだけで、Shopifyロゴメーカーが13,000点以上のテンプレートの中からビジネスに最適なロゴデザインを自動で提案してくれます。
Shopifyロゴメーカーの特徴:
- コストと時間を大幅に削減:完全無料で何度でも使用できるため、費用や時間を抑えながら本格的なロゴを作成できます。
- 豊富なテンプレート:13,000点以上のテンプレ―トから、最適なデザインを選択できます。
- SNS用の素材も一括ダウンロード:Facebook、Instagram、YouTube、TikTok、Xなど各種SNSでも利用できる高解像度のPNGファイル形式で、ロゴを無料ダウンロードできます。
- 直感的なカスタマイズ:ユーザーフレンドリーなUIで、色やフォント、アイコン、レイアウト、スローガンも簡単にカスタマイズできます。
- 業界に応じた最適なデザイン案:ブランド名と業界カテゴリを選ぶだけで、業種や使用目的に応じたデザインが自動生成されます。
- 会員登録不要ですぐに使える:ユーザー登録なしで利用可能です。煩雑な手続きなく、すぐにロゴ作成を始められます。
- 作成したロゴは自由に利用可能:ロゴはウェブサイトや名刺、SNS、広告へ自由に掲載できます。
2. Canva

Canva(キャンバ)は、無料で利用できるデザイン作成サイトで、ロゴ作成にも対応しています。ウェブブラウザはもちろん、スマホ向けアプリも提供されており、場所を問わずに本格的なロゴ作成作業が可能です。
利用には無料の会員登録が必要です。また、一部のプレミアム素材や機能はCanvaプロ(1,180円/月)に加入することで利用可能です。
Canvaの特徴:
- 数千種類のテンプレート:業種や目的に応じて選べるプロ仕様のテンプレートを揃えており、デザイン初心者でも安心です。
- 充実した無料素材とフォント:数百万点以上のアイコンやイラスト、数百種類以上のフォントを用意しています。
- 直感的なドラッグ&ドロップ操作:好みの素材を選んで配置するだけの簡単な操作で、ロゴのカスタマイズや編集をスムーズに行えます。
- モックアップで使用イメージを確認可能:作成したロゴを名刺やTシャツなどに適用したイメージを作成し、実際の雰囲気を確認できます。
3. Adobe Express

Adobe Express(アドビエクスプレス)は、IllustratorやPhotoshopで知られるAdobe社が提供する、初心者にも扱いやすいロゴ作成サイトです。店舗名や企業名、キャッチコピーを入力し、業種やデザインスタイルを選択するだけで、複数のロゴ候補が自動で提案されます。
無料プランでも利用できますが、使用できる素材や機能に制限があります。プレミアムプラン(1,180円/月)へ加入すると、毎月250回までAIによる画像生成が可能となるほか、プレミアム素材やテンプレ―トを利用できます。
Adobe Expressの特徴:
- アニメーションロゴの作成:ロゴに動きを加え、MP4形式で書き出し可能です。動画やSNSで活用できます。
- 作成したロゴを高画質でダウンロード:PNGやJPG形式で出力して、名刺やSNS、販促資料にも掲載できます。
- おすすめフォント提案機能:Adobe Fontsと連携し、ロゴに最適な書体を自動で表示します。
- 自前の画像も活用可能:手元の画像をロゴに取り込めるため、ロゴの独自性を高めることができます。
4. デザインAC

デザインACは、オンライン上でロゴなどのデザインを無料で作成できるサイトです。テンプレートをもとに、文字や画像、フォントなどをカスタマイズして、ロゴを簡単に作成できます。
無料会員でも基本的な機能を利用できますが、ダウンロード時の広告表示や、一部機能や素材の制限があります。これらの制限を解除するには、月額660円(税込)のプレミアムプランへの加入が必要です。
デザインACの特徴:
- 数百種類のテンプレート:業種や雰囲気に合わせて選べるテンプレートを簡単にカスタマイズできます。
- 3ステップで簡単ロゴ作成:テンプレートを選択し、社名やブランド名を書き換えて、色やレイアウトを編集するだけでロゴを作成できます。
- 姉妹サイト掲載の素材も利用可能:イラストACや写真ACにある無料画像を、ロゴやデザインの素材としてそのまま利用可能です。
- QRコードも生成可能:URLを入力するだけで、ロゴに使えるQRコードを簡単に生成できます。
5. Fotor
Fotor(フォター)は、豊富なロゴテンプレートを備えた無料のオンライン画像編集サイトです。用意されたテンプレートをベースに、アイコン、色、フォントなどを自由にカスタマイズすることで、自社のブランドイメージに合ったロゴを手軽に作成できます。
利用には無料会員登録が必要です。ただし、無料プランでダウンロードするロゴにはFotorのウォーターマークが付与されるほか、画質や出力形式などに制限があります。これらの制約を解消するには、月額999円のプレミアムプランへの加入が必要です。
Fotorの特徴:
- 直感的な操作性:専門知識がなくても使いやすいインターフェースで、短時間でロゴを作成できます。
- 自社画像の取り込みに対応:自前のロゴや写真などをアップロードし、ロゴデザインに組み込めます。
- 豊富な素材とフォント:多彩なアイコンやフォントを活用して、ブランドに合った表現が可能です。
- AIによるロゴ自動生成:ブランド名やイメージを入力するだけで、デザインを提案してくれます。
有料のロゴ作成サイト・アプリ2選
1. ロゴマーケット

ロゴマーケットは、プロのデザイナーが手掛けた高品質なロゴを購入し、カスタマイズできる日本最大級の有料ロゴ作成サイトです。
ロゴ購入後は、デザイナーと直接やり取りを行い、テキストやフォントなどを調整可能です。納品されたロゴデータは著作権が譲渡されるため、商用利用や商標登録にも対応しています。
ロゴマーケットの特徴:
- 掲載ロゴ数は28,000点以上:豊富なロゴデザインを業種や色味など多様な条件で検索可能です。
- 明確な料金設定:ロゴの価格は6段階に分かれており、税込32,780〜87,780円の範囲で選べます。
- カスタマイズや修正は無制限:購入後、フォントやカラーの変更など、納得いくまで何度でも修正が可能です。
2. LOGO市

LOGO市(ロゴイチ)は、これまでに12,000社以上のロゴを手掛け、10年以上の運営実績を持つ老舗の有料ロゴ作成サイトです。
初回は2つのオリジナルロゴデザインを無料で提案します。デザインに満足できない場合はキャンセル可能で、料金は発生しません。気に入ったロゴがあれば、料金内で最大5回までデザイン修正が可能です。
LOGO市の特徴:
- デザインに応じた料金プラン:通常のロゴデザインプラン(89,000円)と筆文字ロゴデザインプラン(100,000円)が用意されています。
- 担当ディレクターによるサポート:申し込みから納品まで、ディレクターがヒアリングや進行管理を担当します。イメージが定まっていない場合でも丁寧にサポートします。
- 作成したロゴの活用も相談可能:完成したロゴを使用した名刺や販促資料の印刷、ウェブサイトの制作など、一括で対応しています。
無料で使えるロゴデザインテンプレート
無料ロゴ作成サイトであるShopifyロゴメーカーでは、多数の無料ロゴデザインテンプレートが利用できます。テンプレートをカスタマイズすることで、オリジナルのロゴを短時間で作成できます。
テンプレートを取得し編集する基本ステップ
- Shopifyロゴメーカーにアクセス
- ブランド名を入力し、業界を選択
- 提案されたテンプレートから好みのデザインを選択
- テキストやフォント、色、レイアウトを編集
- 「確定する」をタップしてロゴのPNGファイルを指定したメールアドレスに送信
ロゴデザインのポイント

ロゴは、ブランドや提供する商品・サービスの価値を視覚的に伝える重要な要素であり、ブランドアイデンティティの核となるものです。顧客の印象に残り、様々な媒体で活用しやすいロゴを作成するために、以下の8つのポイントを意識しましょう。
- ブランドバリューを明確にする:ブランドの価値やコンセプトを明確にし、それが伝わるデザインを意識しましょう。軸が定まらないと、効果的なロゴは生まれません。
- ひとつのアイデアに固執しない:最初のデザインを正解と決めつけず、複数案を比較し検討することで、より洗練されたロゴを生み出せます。
- 形や色が与える影響を理解する:形状や色彩が持つ心理的効果を理解したうえで採用することで、視覚的な説得力が高まります。
- 流行を追いすぎない:一時的なトレンドではなく、長く使える普遍的なデザインを意識しましょう。ロゴは時代を超える資産です。
- 独自性を持たせる:汎用的なデザインは避け、ブランドの個性が伝わる要素を取り入れましょう。ブランドカラーなど既存のビジュアルアイデンティティを活用すると効果的です。
- シンプルにまとめる:一目で認識できるデザインが理想です。要素を詰め込みすぎず、見やすさと分かりやすさを意識しましょう。
- あらゆる場面で使える設計にする:チラシから看板まで、サイズや媒体を問わず視認性と再現性が保たれるデザインを目指しましょう。
- 第三者のフィードバックを活用する:デザインの最終決定前に、顧客や外部のデザイナーから意見をもらうことで、客観的な改善点を把握できます。
ロゴをデザインする際に避けるべきこと

ロゴを作成する際は、以下の3つを避けることが重要です。
- 意味のない画像や汎用的なイラストの使用
- 要素を詰め込みすぎた複雑なデザイン
- 見栄えしない色使い
これらの問題を避けることで、あらゆる場面で効果的に機能するロゴが作成できます。もしデザインに迷いや不安がある場合は、プロのデザイナーに依頼することも選択肢のひとつです。
例えば、Shopify partners(英語)上で信頼できるデザイナーを見つけて依頼すれば、より洗練されたロゴに仕上がるでしょう。
ロゴが完成したら、Shopifyで構築された優れたデザインのサイトも参考にして、ブランドイメージに一貫性のあるウェブサイトの構築も検討してみて下さい。
まとめ
ロゴ作成無料サイトや有料アプリは多数存在しますが、特にデザイン経験がない方や、初めてビジネスを立ち上げる方には、Shopifyのロゴメーカーの活用をおすすめします。完全無料で利用できるうえ、直感的なインターフェースで簡単にカスタマイズができるため、短時間で実用的なロゴを作成できます。
ロゴはブランドや事業の「顔」です。第一印象を左右するだけでなく、信頼感を与えたり権威性を高めたりする効果もあります。ロゴ作成無料サイトでは不安という方は、プロのデザイナーに依頼し、納得のいくロゴを作成することをおすすめします。
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よくある質問
無料でロゴを作成する方法は?
- Shopifyロゴメーカーにアクセス
- ブランド名を入力し、業界を選択
- 提案されたテンプレートから好みのデザインを選択
- テキストやフォント、色、レイアウトを編集
- 「確定する」をタップしてロゴのPNGファイルを指定したメールアドレスに送信
おすすめのロゴ作成無料サイトは?
- Shopifyロゴメーカー
- Canva
- Adobe Express
- デザインAC
- Fotor
無料でかっこいいロゴを作ることはできる?
デザイナーが作ったテンプレートやロゴジェネレーターなどを使えば、無料でかっこいいロゴを作ることができます。ただし、ロゴの文字や色などは自分でカスタマイズすることになるため、デザインに自信のない人はプロに依頼することも検討すると良いでしょう。
プロにロゴ作成を依頼するときの相場は?
デザイン会社にロゴ制作を依頼する場合の相場は、約6〜15万円が一般的です。また、提案するロゴの数や修正回数、制作にかかる工数によって最終的な金額は変動します。
ロゴデザインのポイントは?
- ブランドバリューを明確にする
- ひとつのアイデアに固執しない
- 形や色が与える影響を理解する
- 流行を追いすぎない
- 独自性を持たせる
- シンプルにまとめる
- あらゆる場面で使える設計にする
- 第三者のフィードバックを活用する
文:Hisato Zukeran