顧客が商品を購入してくれたとき、お礼のメールを送っていないショップ運営者もいるでしょう。しかし、心からの感謝を表すことは、顧客との距離を縮めるもっとも簡単な方法です。
競合争いが激しいEコマースの業界から一歩抜けるには、顧客との関係構築が大切です。商品購入のお礼メッセージは、予算をかけずにリピート購入してくれる顧客を増やすのに最適な方法でもあります。また、カスタマーサービスが良いと口コミで話題になれば、他のECサイトとの差別化にもつながるでしょう。
今回の記事では受注お礼メールの例文や重要性、メール以外での感謝を伝える方法などを紹介します。
受注お礼メールを実施していない方やネットショップの集客力で悩んでいる方などは、ぜひ参考にしてください。
受注お礼メールの例文
件名:【ネットショップ名】:ご注文ありがとうございます。
【顧客の名前】様
この度は【ネットショップ名】にて商品をご購入いただき、誠にありがとうございます。下記の内容で注文を承りました。注文内容に間違いがないかご確認をお願いいたします。商品の発送が完了しましたら、改めてご連絡いたします。
[ご注文内容]
(注文された商品情報を記載)
[お届けや返品について]
(注意喚起)
例:
・お届けまでの日数:商品のお届けまで、最大2週間程度かかります。
・キャンセル:注文完了後、顧客都合におけるキャンセルはお受けできませんので、ご了承ください。
・返品:届いた商品に問題がある場合に限り、7営業日以内であれば返品をお受けいたします。こちらにお問い合わせください。
【問い合わせ先情報】
注文内容にご不明点などある場合は、お気軽にお問い合わせください。この度は、当店をお選びいただきありがとうございました。
[店舗情報]
例:
・ネットショップ名
・問い合わせ先
・ウェブサイト
・SNSアカウント名
受注お礼メールを書く際のポイントは「件名」と「注文内容の詳細」を記載することです。
件名は、購入したネットショップからの連絡だと気づいてもらうために、メール内容を簡潔に記載します。
注文内容の詳細も簡潔にわかりやすく記載しましょう。受注お礼メールの目的の一つは、誤配送を事前に防ぐことです。そのために、顧客に注文内容がわかりやすいように表示されないと意味がありません。
また、定型文をそのまま利用するのではなく、顧客に合わせた一言を加えるなど、機械的な印象を与えないお礼メッセージにすることも大切です。
商品購入に対するお礼のメッセージを含めながら、スムーズな取引ができるメール文章を作成しましょう。
受注お礼メールの重要性
受注後のお礼メールには、顧客に注文内容をもう一度確認してもらい、配送ミスを防ぐという大切な役割があります。また、顧客に感謝の気持ちを伝え信頼関係を構築できるだけでなく、リピート購入の可能性も高めることができるため重要です。
なぜなら、86%の顧客がネットショップ側の対応によって、リピート購入するか決まる傾向にあるからです。新規顧客を獲得するには、既存の顧客維持費用の約5〜25倍かかります。一方、受注お礼メールなどで顧客満足度の高い対応をすることでリピート購入率を5%上昇できれば、利益は25〜95%ほど増加します。
コストのかからない受注お礼メールを効果的に送ることで、リピート購入してくれる顧客が増え売り上げにつながりやすくなるでしょう。
また、初めて利用するネットショップでは、連絡の遅さや対応のちょっとした雑さに不安を覚える顧客も少なくありません。対面販売ではない分、受注後すぐにお礼メールを送る、顧客に合わせた一言を付け加えるなど、不安要素を少しでも取り除き販売者の気持ちが伝わるようにすると、ネットショップの評価が高まり、リピート購入につながったり、口コミから新規顧客の獲得につながったりする可能性も高くなります。
実際、92%の購入者が家族や友人からおすすめされた商品は信頼性が高いと思っている傾向にあるので、受注後の対応次第で知人同士の口コミ拡大も期待できます。
このように、シンプルな謝意表明だけでも顧客の満足度向上や安心感につながり、リピート購入や口コミによる新規顧客の獲得の可能性が高まるため、受注後のお礼メールは大切です。
受注お礼メール以外に感謝を伝える方法5選
1 手書きのメッセージ
手書きで購入のお礼メッセージを伝えるのは少し古風に感じられますが、メールやSNSでお礼を伝えるのが増加した現在、手書きのほうが特別感を演出し、感謝の気持ちを伝えやすくなります。
手書きの購入お礼メッセージを書く際の5ポイント
- 顧客の名前を入れて挨拶する
- 購入商品と一緒にお礼の手紙を送った理由を伝える
- 質問や商品に不具合があった場合の問い合わせ先を記載する
- 丁寧な締めの挨拶と担当者や代表者の名前を記載する
- ネットショップのウェブサイトやSNSのアカウント名を記載する
また、商品購入時に限らず、誕生日やイベントなど購入時以外に手書きのメッセージを出すのも良いでしょう。
営業日にチーム内で分担して手紙を送る方法を取り入れているネットショップもあります。例えば、米国で靴を販売している2BigFeetは、毎年1,000人にカードを送ることを目標にし、毎営業日に4枚の手紙を送るようにしているそうです。
このように、商品を購入してくれたすべての顧客に毎回手紙を送るのが難しい場合でも、誕生日やイベントなどを利用して感謝の気持ちを伝えられます。チームで分担すると顧客へ感謝する機会を従業員にも与えられ、お互いに良い影響を受けられるでしょう。
2 フォローメール
受注のお礼メールを送った数日後に、商品が無事に届いたか、不具合がなかったかなどの確認のメールも入れると購入者に対する感謝の気持ちや誠意が伝わります。その際に、口コミやレビューの記入を依頼し、お礼に次回使えるクーポンをプレゼントすると、リピート購入につながる可能性も高まります。
例文:
件名:【ネットショップ名】ご注文の商品は無事に届きましたか?レビュー記入で次回利用できるクーポンプレゼント
【顧客の名前】様
先日は【ネットショップ名】にてご購入いただき、誠にありがとうございました。以下の商品は無事お手元に届きましたでしょうか?
[商品情報]
(注文された商品情報を記載)
不具合や不明点などあれば、気軽にお問い合わせください。また、商品の感想をレビューに記入いただいた場合、次回利用できる10%オフクーポンをプレゼントしています。
【レビュー記入ページのURL】
皆様のご意見をもとに、より良いお店づくりに励んで参りますので、もしよろしければご感想などお聞かせください。
[店舗情報]
例:
・ネットショップ名
・問い合わせ先
・ウェブサイト
・SNSアカウント名
3 サンプルやフリーギフトの提供
発送する商品と一緒に他の人気商品のサンプルやステッカーのようなフリーギフトを一緒に送ることも感謝を伝える方法の一つです。
サンプルでなくても、わかりやすい説明書を添えるだけで商品の付加価値を高められます。このような方法は、顧客に小さな喜びを与えるため、費用対効果が高いカスタマーサービスです。
4 初回購入時のクーポン提供
2回目以降に利用できるクーポンサービスはリピート購入につながりやすくなります。受注時のお礼メールと一緒に電子クーポンを送るか、商品と同梱してクーポンを送ると良いでしょう。
ただし、クーポンを多用してしまうと、クーポン価値が下がり、クーポン発行を待つ顧客も出てきます。そのため、クーポンを提供するのは、初回購入時やイベント時など限られたタイミングでするようにしましょう。
5 SNS投稿のシェア
InstagramなどのSNSで顧客が商品について言及してくれたとき、お礼のひと言とともにその投稿をシェアするだけで、簡単に感謝の気持ちを伝えることができます。
さらに、リアルな口コミを他のユーザーにシェアでき、自然に商品の宣伝ができます。他のユーザーの投稿が商品購入のきっかけになる可能性も高いので、投稿のシェアは積極的におこなうと良いでしょう。
Instagramの場合はハッシュタグで検索するユーザーも多いので、ネットショップや商品独自のハッシュタグを作成していれば、顧客の投稿を見つけやすくなるメリットもあります。投稿のシェアは、感謝を伝えるだけでなくコンテンツ作成の時間削減にもつながり、効率的にSNSマーケティングをおこなうことができます。
なお、顧客の投稿をシェアする際は許可を得るようにしましょう。ダイレクトメッセージなどで許可を得るとき、購入と投稿のお礼を直接伝えることができ、より感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
まとめ
受注お礼メールの文章は難しく考える必要はなく、シンプルなメッセージだけでも感謝の気持ちは伝わります。しかし、定型文でただメールを送れば良いのではなく、個別のメッセージだと伝わるような工夫をしたり、メールの内容をわかりやすくしたりすることが大切です。また、次回利用できるクーポンや特典などでリピート購入を促す工夫をすることで、顧客との関係構築だけでなく売り上げにもつなげることができます。
また、顧客へ感謝の気持ちを伝える方法はメールだけではありません。手書きのメッセージや商品サンプル、わかりやすい説明書を同梱するなど梱包時にちょっとした手を加えるだけでも、顧客は嬉しい気持ちになってくれるでしょう。
感謝の気持ちを伝えるのは、顧客との関係構築の第一歩です。競合他社を超えるブランド価値向上のためにも力を入れていきましょう。
続きを読む
よくある質問
受注お礼メールの件名は?
「【ネットショップ名】:ご注文ありがとうございます」のように、メールの内容がわかりやすいシンプルな件名が良いでしょう。
リピート購入の場合もお礼メッセージは必要?
はい、リピート購入の場合もお礼メールは送るようにしましょう。新規顧客を獲得するよりも、リピート購入を継続してもらうほうが売り上げに大きくつながるからです。