どうしてもフレンチ・ブルドッグがほしかった、リズ・ベルトレリさん。そこで2013年、彼女はある目標を立てました: どうにかして5,000ドル余分に稼ぐことができたら、フレンチ・ブルドッグを飼うのだと。当時フルタイムの仕事をしていたリズさんは、目標をより早く達成するために、オンラインのプリントオンデマンドTシャツの会社を立ち上げました。そして、ものの数カ月で目標は達成されました。
それからおよそ5年、1匹の犬、そして完全なブランド再構築を経て、LGBTQ+のアパレルブランドのPassionfruitは、いまも人気のストアです。また、「Protect Trans Kids(トランス・キッズを守ろう)」Tシャツは『サタデー・ナイト・ライブ』で脚光を浴びて、売り上げが急上昇しました。
今回は、リズさんに、ワンちゃんのフレンチ―、スナック、そして副業についてお話を伺いました。
リズさん、自己紹介をしてください。
私は5時から9時までサイドビジネスをしている平凡な9時から9時の人間よ。やることが多すぎて、何をやっているのか覚えていないくらい。
じゃあ時々、9時から夜中の1時2時まで働きづめ?
そう、自分で時間をみつけてスケジュールをたててる感じです。
なぜPassionfruitを始めたのですか?
自分がカミングアウトしたとき、それはとてもハードだったの。実際に口に出さなくても、自分らしさを表現できるものを作りたかった。それをやっている大きなブランドはたくさんあったけれど、私は、クィアな人たちがクィアな商品をデザインしている、そんな背景があるように感じられるものを始めたかったんです。
Passionfruitのデザインは、LGBTQ+のお客さんに自分を誇りに思ってもらい、それを表現してもらうよう意図されています。
でもそのきっかけは犬だったんですよね?
そう、実際の注文数などを目標にするのではなく、フレンチ・ブルドッグを飼えるだけのお金を稼ぎたかったんです。最終的に達成しましたけど、でもなんていうか、「マジか。もっとレベル上げないと。次のステージを目指さないと」という感じでした。わたしは、目標を決めて、それを達成できないのは嫌なんです。昨夜も、夜9時にパズルを始めてしまって、「ああもう、これを終わらせないと寝られない」って感じでした。
Passionfruitと、フルタイムの仕事と生活とのバランスはどのようにとっていますか?
Printfulというフルフィルメントサービスを使っています。ショップに注文が入ると、私のデザインをシャツにプリントして出荷してくれます。全部自分で発送していたら、気が狂っていたことでしょうね。
たくさんやることがある中、優先順位はどのように決めていますか?
Passionfruitのことは気にかけていますが、友人の30歳の誕生日や(Shopifyでの)フルタイムの仕事よりも優先することは決してありません。
Passionfruitに費やす時間は週に2回。週が明けて、「うわ、4時間もやってないじゃん、Passionfruitのための時間をとって、週に2回作業しています。もし週の終わりに、「うわ、4時間もやってないじゃん、ああ、やる予定だったのに目標が達成できてない」となったらがっかりしますが、次の週はもっと頑張ろうってなります。
継続できている理由はなんでしょう?
シャツのおかげでパートナーに出会えたという人たちからのメールをもらっています。シャツがおもしろいというきっかけで話しをするようになり、付き合うことになったり、結婚したり。素敵な話ですよね。あとはこういう話もありました。「ありがとう、シャツのおかげで家族にカミングアウトできたよ。自分の言葉を口にすることができなかったから、感謝祭のときにただこのシャツを着ていったんだ」
Liz BertorelliはPassionfruitを女性1人で運営していますが、思いつきで旅行に出る時間も作り出しています。
最近のサタデー・ナイト・ライブでの露出、良かったですよね。あれについても聞かせてください。
サタデー・ナイト・ライブでドン・チードルが“Protect Trans Kids(トランスキッズを守ろう)”のTシャツを着ているのを見たあとは、一週間ずっとニヤニヤしてました。現在販売しているバージョンのものではなかったんですが、これは何年もわたしたちがTシャツにプリントしてきた重要なメッセージです。Tシャツの影響力には驚かされます。彼が自分のプラットフォームと視聴者を使って認識を広めてくれたことに感謝しています。
すごい。ところで、“わたしたち”と言ってるけど、実際はあなた1人ですよね?
そう、わたしだけ。Printfulもビジネスの一部です。SNSでは、よくコミュニティがわたしの代わりに回答してくれるので「私たち」と言っているのだと思います。
非公式のアンバサダーみたいな?
そうです。
始めた当初はパートナーがいましたよね。それはどのように発展していったのですか?
Passionfruitは、5年前にパートナーと立ち上げたブランドをリブランドしたものです。リブランドの理由としては、まあ、ビジネスはパートナーと一緒にやならないほうがいいと言っておきましょうか。これは人生の教訓ですね。前のビジネスはわたしの始めての試行だったので、個人的にもビジネス的にもフレッシュなスタートが切れたと思うから、それはそれでとてもよかったと思います。
その移行で一番大変だったのは何ですか?
私たち2人とも、この1年間は本当に大変でした。というのも、あなたはこの素晴らしいコミュニティを築き上げ、作り上げた小さな赤ちゃんを世に送り出した。それから私生活でちょっとしたことが起こって、今まで通りにはいかず、一歩引かなければいけなくなってしまう。仕事が自分の創作活動の場だっただけに、動揺してしまいました。
全部を1人でやるとなると、かなり忙しいですよね。「自分の時間」はいつ取っていますか?
思い立って旅行に行くのが大好きです。「週末どこかに出かけようかな?月曜日までに帰ってくるのはストレスになるかも・・・いや、ただシカゴ行きの旅行を予約して、好きなだけピザを食べて、アートギャラリーを巡って、飛行機で帰ってくればいいんだ」という感じです。
機内持ち込みの荷物でいつも持っていくものはなんですか?
オリーブの犬の毛のロケット。いや、冗談です。メガネ。そう、もしメガネを忘れたら、なにもできません。ヘッドホン。音楽をかけないで、ただ着用しているだけのときもあります。それと、スナック。私はイタリア人なので間食が大好きで、15分ごとにお腹がすきます。
Lizの成功の秘訣は? ノートパソコン、インターネット、それにたくさんのスナック。
それとノートパソコンですよね?オンデマンド印刷のビジネスをしているわけだから、旅行中も仕事をしますか?
そうですね、正直なところ、それがいいところでもあるので。パソコンとインターネットがあれば、コミュニティの管理ができます。Printfulと話もできる。新しいデザインをアップロードできる。文字通り、どこからでも、なんでもできます。
Passionfruitをフルタイムでやることについて考えたことありますか?
もし本当に起業家としてやってみたくなったら、ライフスタイルが変わるでしょうね。1週間の売り上げが十分でなければ、給料はもらえません。あるいは、同じような顧客からのEメールを受け取れなくなって、急に満たされない気持ちになるかもしれません。飛び込む前に、納得しなければならない要素がたくさんあります。でも、自分には適応力があるから、うまくやれるような気がする。
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