PayPayは、スマホ1台でキャッシュレス決済が可能な便利なサービスです。ポイント還元率も高く、消費者にとってはお得に買い物ができる一方で、店舗にはどのようなメリットがあるのか知らない人もいるでしょう。
この記事では、PayPayの消費者側・店舗側のメリットやデメリット、チャージ方法などについて解説します。PayPayの利点を知りたい事業者、PayPayの使い方を知りたい人などは、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
PayPayとは
PayPayとは、スマホにアプリをダウンロードして利用するQRコード決済サービスです。2018年10月にソフトバンク株式会社とヤフー株式会社が共同で提供を開始しました。QRコードを利用してスマホ決済ができる利便性の高さから、2024年8月時点で登録ユーザー数は6,500万人、加盟店数も1,000万カ所を超えており、急速に普及しています。
実店舗以外にもオンライン決済や請求書払いにも対応しています。
PayPayの仕組み
PayPayは、モバイル決済方法のなかでも、QRコード決済とキャリア決済を利用することができます。主な方式であるQRコード決済では、利用者がスマホでQRコードを読み取るか、店舗が利用者のバーコードを読み取ることで決済できる仕組みになっています。事前にPayPayに支払い情報を登録しておき、クレジットカードやチャージ残高からの支払いなど支払い方法の優先順位をつけておくことで、スムーズに決済できます。
キャリア決済はチャージする際に利用することができ、チャージ金額や手数料がスマホの利用料金等と合わせて携帯電話会社(キャリア)から請求されます。ただし、PayPayはソフトバンクが提供している決済サービスのため、キャリア決済が利用できるのはソフトバンクやワイモバイルなどの回線を利用するスマホに限られます。
PayPayを利用するメリット・デメリット
PayPayを利用するメリット
スマホ1台で買い物ができる
PayPayは、専用アプリを使ってバーコードを見せるか、QRコードを読み取るだけで簡単に支払いができます。そのため、現金を出したりお釣りを受け取ったりする手間がなくなり、より簡単に支払いができるのが利点です。
また、スマホだけで支払いが完了するため、財布を持ち歩く必要もありません。PayPayを利用すれば、財布を落としたり盗まれたりする心配もなく、便利に安全に買い物を楽しめるでしょう。
ポイント還元が受けられる
PayPayでは、最大2%のポイントが付与されるので、現金払いに比べてお得に買い物ができます。通常のポイント付与率も0.5〜1%で、決済金額200円ごとに還元され、貯まったポイントは1ポイント=1円として実店舗やオンラインでの支払いに利用できます。また、大型キャンペーンも頻繁に開催されているため、期間中に利用すれば、通常より高いポイント還元が得られるのもメリットの一つです。
使える店舗が多い
PayPayの加盟店登録数は、2023年12月時点で累計1,000万カ所を超えており、街中の多くの店舗で利用できるようになっています。特にコンビニや飲食店などの大手チェーン店を中心に、幅広く導入されているのが特徴です。また、クレジットカード決済よりも導入障壁が低いため、中小規模の加盟店も増えています。Shopifyの決済方法の一つとしてPayPayを導入できることから、使用できるネットショップも増えてきています。
政府のキャッシュレス化推進の後押しもあり、今後もPayPay加盟店は増えていくことが予想されています。
不正利用保証制度がある
PayPayでは、第三者による心当たりのない請求や、アカウントを持っていないにもかかわらず請求が来た場合に、補償を申請できる制度があります。不正利用による被害であれば、被害額の全額が補償されるのが特徴です。不正利用による金銭的な被害を受ける心配がないため、安心してPayPayを利用した買い物を楽しめるでしょう。
PayPayを利用するデメリット
通信環境が悪いと利用できない
PayPayは、スマホアプリを通じて決済をするサービスであるため、通信環境が悪い場所では、支払いがうまくいかない可能性があります。人が多い場所や時間帯には、回線が混雑して電波が不安定になることもあり、アプリの読み込みが遅くなることもあるでしょう。また、インターネットの使い過ぎで通信制限がかかっていると、PayPayがうまく使えない場合があります。
クレジットカードの利用には制限が多い
PayPayのクレジットカード決済には、不正利用防止の観点から厳しい利用上限が設定されています。本人認証サービス(3Dセキュア)を設定していない場合、過去24時間の上限金額は5,000円までに制限されるのが特徴です。認証を設定すれば20,000円まで引き上げられますが、高額な買い物には不向きといえるでしょう。PayPay残高を使えば、過去24時間で50万円まで支払いが可能です。
PayPayを導入するメリット・デメリット
PayPayを導入するメリット
新規顧客の獲得につながる
PayPayは、日本人のおよそ2人に1人である6,500万人が登録している利用者が多いサービスです。PayPayを導入することで、PayPayユーザーに選ばれやすくなるので、新規顧客を獲得しやすくなるでしょう。また、ターゲットや利用回数・利用金額を設定できるPayPayクーポンやスマホ上のスタンプカードとして機能するPayPayスタンプカードを発行して集客することもできます。
専用端末がいらない
PayPayは、クレジット端末機のような専用の端末を用意しなくても導入することができます。端末利用の場合よりも導入にかかる期間が短く、審査通過後に受け取ったQRコードを店舗に設置するだけで導入できます。初期費用もかからないので、小規模事業者にとっても導入しやすいのが魅力です。
セキュリティ対策と保証内容が充実している
PayPayは24時間365日相談受付をしており、サポートが充実しています。また、専任スタッフが取引を監視し、不正利用を未然に防いでいます。
ユーザーだけでなく加盟店に対しても不正利用補償制度が設けられており、原則として不正利用された取引金額の全額を入金してくれます。ユーザーが不正利用の被害に遭ったとしても、補償金額はPayPayが負担するため、加盟店側に重大な過失がない限り、負担を求められる心配もありません。
カゴ落ちを減らせる
ECサイトでは、カゴ落ちを減らせるというメリットがあります。カゴ落ちとは、欲しい商品をカートに入れたものの、何らかの理由で購入に至らない現象のことです。決済手続きの複雑さが、原因の一つとなっており、決済完了までに必要なステップが多いほど、カゴ落ちのリスクが高くなる傾向にあります。また、利用したい決済方法が使えないと商品の購入を断念するユーザーもいます。
PayPayは、クレジットカード情報の入力や銀行振込などの手間がかからず、決済完了までの操作ステップが少ないため、カゴ落ちの防止に効果的です。
PayPayを導入するデメリット
手数料や利用料がかかる
PayPayを導入すると、マイストアライトプランに加入している場合は1.60%、未加入の場合は1.98%の決済手数料が発生します。また、マイストアプランに加入するには、月額1,980円の利用料を支払う必要があります。
しかし、一般的なクレジットカード決済の手数料は2.50〜3.75%、ほかの決済アプリでも2.60%程度の費用がかかる場合がほとんどであるため、PayPayの手数料は比較的低いと言えます。
PayPayの登録方法
PayPayのアカウント登録方法は以下のとおりです。
- アプリを起動し、電話番号とパスワードを入力する
- 「上記に同意して新規登録」をタップする
- 入力した電話番号宛に届いた認証コードを入力する
- 登録が完了すると「はじめてガイド」が見られるようになる
電話番号の入力にミスがあると認証コードが届かず、登録ができないため注意しましょう。
PayPayのチャージ方法
PayPayの主なチャージ方法には以下のようなものがあります。
銀行口座登録
PayPayに銀行口座を登録すれば、口座から直接PayPay残高にチャージできます。口座残高以上の金額はチャージできないため、使い過ぎを防げるのもメリットです。ただし、チャージした金額の取消やキャンセルはできないので注意しましょう。
銀行口座の登録方法は以下のとおりです。
- ホーム画面から「すべて」を選択する
- 「銀行口座登録」をタップする
- 本人確認をし、銀行を選択、必要情報を入力する
銀行口座経由のチャージ上限は、24時間で50万円・30日間で200万円です。みずほ銀行や三菱UFJ銀行・三井住友銀行・ゆうちょ銀行など、多くの金融機関が対応しており、ネットバンキングも利用できます。銀行口座とPayPayを連携すれば、オートチャージの設定も可能なので、チャージする手間も減らせるでしょう。
PayPayカード経由
PayPayでクレジットカードを利用してチャージする場合は、本人認証サービス(3Dセキュア)に登録済みのPayPayカードしか利用できません。チャージ方法は以下のとおりです。
- ホーム画面から「カードを追加」を選ぶ
- 「クレジットカードの追加」でクレジットカード情報を登録する
- ホーム画面の「チャージ」から「PayPayカード」を選択して金額を入力する
チャージ上限は過去24時間で2万円・過去30日間で5万円です。
キャリア決済
ソフトバンクやワイモバイル・LINEMOを利用しており、携帯電話回線を使ったPayPayアカウントを連携している場合、キャリア決済を利用してチャージすることができます。ただし、スマホ料金の利用可能額の設定があるとチャージできない場合があるため、事前に確認しておきましょう。チャージ方法は以下のとおりです。
- ホーム画面の「チャージ」から「ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い」を選ぶ
- チャージしたい金額を入力する
チャージの上限は10万円で、毎月1日から末日までの期間内に適用されます。また、毎月初回のチャージは手数料無料ですが、2回目以降は税込み2.5%の手数料が発生するので注意しましょう。
現金
PayPay残高を現金でチャージするには、セブン銀行ATMやローソン銀行ATMを利用する必要があります。セブン銀行やローソン銀行の口座がなくても、現金でチャージが可能で、手数料も無料です。
チャージ方法は以下のとおりです。
- アプリの「スキャン」機能を使い、ATMに表示されているQRコードを読み取る
- アプリに表示された企業番号をATMに入力する
- チャージする金額分の紙幣をATMに投入する
- 画面上の金額を確認する
PayPayのコンビニチャージ上限金額は、過去24時間で50万円・過去30日間で200万円です。また、1回のチャージ金額は1,000円単位で、最大50万円まで入金できます。
Yahoo!フリマ・Yahoo!オークションの売上金
Yahoo!フリマやYahoo!オークションの売上金をPayPay残高にチャージすることもできます。売上金をチャージするとポイント還元を受けられますが、一度チャージした売上は現金に戻せないので注意しましょう。チャージ方法は以下のとおりです。
- Yahoo! JAPAN IDとのID連携をする
- Yahoo!フリマ・Yahoo!オークションの売上金管理ページを開く
- 「PayPayにチャージ」をクリックして、チャージしたい金額を入力する
チャージ上限金額は、過去24時間以内50万円・過去30日間200万円です。一方で、Yahoo!フリマやYahoo!オークションの売上金をそのまま決済に使うこともできます。
PayPayで支払い/決済する方法
バーコードを見せる
店員に自分のバーコードを見せて支払いをします。
- PayPayアプリを開く
- ホーム画面の「支払う」を選択する
- 画面を店員に見せ、バーコードを読み取ってもらう
- 支払いが完了する
QRコードを読み取る
自分のスマホで店舗のQRコードを読み取って支払いをします。
- ホーム画面の「スキャン」を選択する
- 店に置かれたQRコードを読み取る
- 支払金額を入力し、「次へ」を選択する
- 画面を店員に見せ、「支払う」を選択する
- 支払いが完了する
店舗によってはQRコードでの決済に対応していない場合もあるので、初めて利用する店舗などでは会計前に確認しましょう。
まとめ
PayPayは、ソフトバンクとヤフーが共同で提供するスマホ決済サービスで、コンビニやスーパー・飲食店などの多くの加盟店で利用することができるのが特徴です。
消費者にとっては、スマホ1台で簡単に支払いができ、ポイント還元を受けられるなどのメリットがあります。店舗側には、新規顧客の獲得や保証内容の充実などのメリットがあります。消費者、店舗どちらにも適用される不正利用補償制度も用意されているので、万が一不正利用されたとしても損失を被る心配がないため、安心して利用することができます。
また、オンライン決済でも利用できるため、ネットショップの開業を考えている事業主はPayPayの導入を検討してみるとよいでしょう。Shopifyでは対応する決済代行サービスを使用することで、簡単にPayPayを導入することができます。
スマホ決済を検討している人は、ぜひこの記事を参考に、PayPayを導入してみてください。
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よくある質問
PayPayカードとは?
PayPayカードは、PayPayカード株式会社が発行・審査をしているクレジットカードです。 2022年4月にヤフーカードから改名されました。表面にカード番号が印字されていないので、不正利用されにくい設計になっています。
PayPayフリマとは?
PayPayフリマは、ヤフー株式会社が運営するフリマアプリです。2023年11月1日に名称がYahoo!フリマへリニューアルされました。PayPay残高やポイントで支払いができ、対象商品を購入すると、1%のPayPayポイントが還元されます。
個人事業主でもPayPayを導入できる?
PayPayは個人事業主でも導入可能です。ただし、導入の際には、以下のいずれかの本人確認書類を提出する必要があります。
- 運転免許証
- 健康保険証
- パスポート
個人事業主向けの銀行口座登録ガイドラインもあるので、初めて決済サービスを導入する人でも利用しやすいでしょう。
文:Kana Fukuzumi