みなさんは自分のECサイトの現状を知るために、何をチェックしていますか?SNSのフォロワー数からGoogleアナリティックスで見れるページ訪問者数まで、ECサイトの売上以外にも、把握しておかなければならないデータはたくさんあります。
ここでは、ECサイトのパフォーマンスに関する数あるデータの中から、特にビジネスを成長するのに役立つ指標である重要指標(KPI)は何かを、専門家の観点からお伝えします。
KPIとは?
KPIは、Key Performance Indicator の略で、日本語では主要業績評価指標と訳されます。この指標は、「成功」や「儲ける」などといった目標を数値化したもので、プロジェクトや事業の現状を把握するのに使われます。
KPIとKGIの違い
KGIは Key Goal Indicator の略で、日本語では重要目標達成指標と訳され、最終的な目標や成功を定義する指標です。KPIはこれに対して、目標に向かっているかどうかを表す、具体的なパフォーマンス指標となります。
つまりKGIは目標を定義する指標(例:今年の売り上げは前年度よりも2割増し)であるのに対し、KPIは目標達成のためのプロセスを測るための指標(例:2月の時点で、目標の0.7パーセントを達成)だといえます。
またKGIは売上高として設定されることが多いのに対し、KPIは通常、リピーター数など、売上高以外のものが含まれます。
ECサイトのKPIとは?
ECサイトにおけるKPIとは、そのサイトの目標達成度を数値化したもので、目標売上に達するために貢献する要因の現状を表します。
ECサイトでは、ウェブサイトであるため、クリック数や訪問者数、平均ページ閲覧数などもKPIに含まれます。
ECサイトの5つのKPI
- トラフィック
- コンバージョン率
- 総売り上げ
- 平均注文額
- 新顧客vsリピーター
今回は、Merchant Analytics のプロダクトマネージャーであるシャノン・ギャラガー(Shannon Gallagher)が、eコマースの成長に役立つ実用的で具体的な情報を提供してくれる重要指標(KPI)を、5つに絞り込みました。
トラフィック
トラフィックとは、サイトへの訪問者のことです。
まずなによりも、トラフィックを理解しましょう。ショップへやってくるビジターの数をモニタリングすることはとても重要です。
サイト全体のビジター数を俯瞰で把握することはもちろん大事なのですが、成長機会を発見するために本当に役立つ指標は、総トラフィックの中に隠れています。
どこから、何人来たのかという見方は、マーケティング的な観点であり、ビジターがどのようにあなたのネットショップを発見したのかを教えてくれます。
もう一点注目したいのが、ビジターがどこに住んでいて、どのようなグループに属するかです。この2つの情報が、広告戦略やターゲティングに役立ちます。
サイト訪問者があなたのショップを発見した経緯や、流入元などがはっきりすると、どのチャネルがトラフィックを増やすのにもっとも効果的か、海外発送の需要はどのくらいあるかがわかり、ビジネス戦略を立てる際により良い決断が下せるようになるでしょう。
コンバージョン率
コンバージョン率とは、サイト訪問者が実際の購入者になった率のことです。
コンバージョン率は、ビジターが購入者になっているかどうかを教えてくれる、重要な指数です。
ただし、1つのコンバージョン率だけを見ておけばいいというわけではありません。
しっかりチェックしておくべき3つの数字があります。
- カートに商品を入れた人数
- チェックアウトまで進んだ人数
- 実際に商品を購入した人数
このそれぞれのステージがあなたのECサイトのパフォーマンスについて有用な情報を与えてくれます。例えば、チェックアウト画面まで進んだのに購入されなかった場合、支払い方法や発送方法に改善の余地があるのではないかなどと推測されます。
コンバージョン率をモニタリングすることで、ビジターから購入者へと促すことができているか、それとも最適化が必要なのかがわかります。
コンバージョン最適化(CRO)はそれ自体が専門領域で、どのようにそれを進めていくべきかは、業界や客層、商品などによって変わってきます。ショップの特徴に合わせたカスタマイズは必要となってくると思いますが、この3点にある基本を見直すことからスタートするといいでしょう。
総売上
基本となる指標を語る上で総売上は外せません。
総売上を見るうえでは、何が売上に影響しているかを理由もしっかり理解しないといけません。個々の販売チャネルの業績や売上高の推移などがここに含まれます。
すべてがどう連携して機能しているかを深く理解するためには、まず数ヶ月分の売上高を日ごとに分けて分析するところから始めます。購入者が多い期間に、なんらかの傾向やパターンが見てとれますか? もしそうなら、その理由を探り、ほかの日にも同じように売上を伸ばせそうか、人気のある日にもっと売上高を増やせるか、その両方が可能なのか、考えてみましょう。
たとえば、月曜日に売上が高いことが確認でき、それがなぜなのかわからないときには、情報をトラフィックに結びつけます。購入者は月曜日にどうしてショップを訪れたのでしょうか? ほかの曜日とは異なる何かがありますか? こうした観点が、新しいキャンペーンのアイデアやショップの最適化を考える際に、すばらしいスタートポイントになるでしょう。
平均注文額
平均注文額(AOV)は、顧客一人当たりの平均購入額のことです。
平均注文額は、商品の組み合わせ方や割引戦略などの参考になる指標です。
平均注文額は、平均的な顧客が一回の注文で支払う額だといえます。この数字は、マージンや配送費といったビジネス面に直接的な影響をもたらします。
例えば、配送費は注文1回ごとにかかるもので、購入された商品が増えても急激に上がるものではありません。つまり、一度の注文で購入される額が上がると、配送費を抑え、マージンを増やすことができます。
つまり、AOVを上げると、新しいトラフィック元やコンバージョン率の改善を必要とせずに収益を増やすことができ、追跡と最適化のための強力な指標となります。
新規顧客vsリピーター
新規顧客とリピーターの割合は、あなたのネットショップの効果を見ることができる指標です。両者のバランスと顧客の大部分を構成する要素が、時間とともに変化していくのを確認できれば理想的です。
一般的に、新規顧客に購入してもらうよりも、既存顧客にリピートしてもらう方が安いし簡単です。
しかし、すべてのお客さまは、最初は新規顧客です。あなたのビジネスを成長させるためには、新規顧客の割合をある程度一定に保つ必要があります。
実践編
まずは、この5つ指標を確認してみてください。これらのKPIはShopify管理画面のストア分析で簡単にチェックすることができます。
この指標に慣れ、完全に理解できたら、必要なときにさらに細かいところまで数字を追求できるはずです。基本の指標では解決できない疑問点が浮上したら、新しい情報をあなたのアナリティクスに付け加えるときです。Shopifyの活用方法をさらに詳しく学んで、自分のビジネスを理解し、成長させていきましょう!
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